RANKLおよびTNF-αによる破骨細胞形成誘導へのIL-18の影響について
【目的】骨吸収には, RANKLおよびTNF-αによって誘導される破骨細胞が関与していると考えられている. また, 近年, 免疫担当細胞の骨代謝への関わりが言及されるようになっている. しかしながら, 免疫において重要な働きをしているIL-18と骨代謝に関しての報告はほとんどない. そこで本報告では, 破骨細胞誘導へのIL-18の影響の検討を行った. 【材料および方法】5週齢ddYマウスより骨髄細胞を採取後, M-CSFおよびRANKLまたはTNF-α存在下で培養しIL-18を作用させた. また, 骨髄細胞から得られた破骨細胞前駆細胞にも同様の実験をおこなった. それぞれ, TRAP陽性細胞数...
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Published in | 歯科基礎医学会雑誌 Vol. 44; no. 5; p. 431 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
歯科基礎医学会
20.09.2002
Japanese Association for Oral Biology |
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ISSN | 0385-0137 |
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Summary: | 【目的】骨吸収には, RANKLおよびTNF-αによって誘導される破骨細胞が関与していると考えられている. また, 近年, 免疫担当細胞の骨代謝への関わりが言及されるようになっている. しかしながら, 免疫において重要な働きをしているIL-18と骨代謝に関しての報告はほとんどない. そこで本報告では, 破骨細胞誘導へのIL-18の影響の検討を行った. 【材料および方法】5週齢ddYマウスより骨髄細胞を採取後, M-CSFおよびRANKLまたはTNF-α存在下で培養しIL-18を作用させた. また, 骨髄細胞から得られた破骨細胞前駆細胞にも同様の実験をおこなった. それぞれ, TRAP陽性細胞数を測定した. 【結果および考察】RANKLによる破骨細胞様細胞形成では, IL-18を加えず培養した場合, TRAP陽性単核および多核細胞が認められたが, IL-18を加えた場合はTRAP陽性細胞数は著しく減少した. TNF-αによる場合はIL-18を低濃度作用させた場合, 変化はなかったが, 高濃度の場合, 付着細胞の数が減少した. これら作用は, 破骨細胞前駆細胞を用いた場合には, 起こらなかった. IL-18はRANKLによる破骨細胞様細胞の形成では抑制に働き, TNF-αの場合は細胞死を誘導する可能性が示唆された. また, その作用は, 破骨細胞前駆細胞への直接作用ではないことが示唆された. |
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ISSN: | 0385-0137 |