P-16. 脳機能評価を指標にした新たな噛み合わせ調整法の開発

f-MRIを用いて歯根膜感覚の知覚および認知過程における大脳皮質各領域の役割解明を目指す第一歩として, スタビライゼーションスプリントを用い, スプリント装着および未装着時にクレンチングを指示した際の脳活動状態について検討したところ, スプリント非装着時におけるクレンチング時の脳活動部位は左側一次運動野, 両側運動前野, 両側補足運動野, 両側帯状回運動野, 左側前頭前野および右側視覚前野であった. また, スプリント装着により, 右側一次運動野が賦活するとともに左側一次運動野の活動がやや抑制され, 左右が均等化された. さらに, 実験的咬合干渉を付与した状態でのクレンチング時の脳活動状態につ...

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Published in九州歯科学会雑誌 Vol. 61; no. 4/5; pp. 146 - 147
Main Authors 鱒見進一, 槙原絵理, 森本泰宏, 田中達朗, 吉野賢一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州歯科学会 25.11.2007
Kyushu Dental Society
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ISSN0368-6833

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Summary:f-MRIを用いて歯根膜感覚の知覚および認知過程における大脳皮質各領域の役割解明を目指す第一歩として, スタビライゼーションスプリントを用い, スプリント装着および未装着時にクレンチングを指示した際の脳活動状態について検討したところ, スプリント非装着時におけるクレンチング時の脳活動部位は左側一次運動野, 両側運動前野, 両側補足運動野, 両側帯状回運動野, 左側前頭前野および右側視覚前野であった. また, スプリント装着により, 右側一次運動野が賦活するとともに左側一次運動野の活動がやや抑制され, 左右が均等化された. さらに, 実験的咬合干渉を付与した状態でのクレンチング時の脳活動状態について検討したところ, 咬合干渉の有無に関わらず, クレンチングタスクにより前頭前野, 一次運動野, 運動前野, 補足運動野および一次体性感覚野の活動が観察され, 咀嚼運動制御に重要な役割をもっと考えられている一次運動野, 運動前野および補足運動野の活動は, 咬合干渉を付与すると低下する傾向が認められた.
ISSN:0368-6833