4. 交感神経過緊張を伴う重症破傷風治療法の変遷-本邦報告例からの検討

最近, われわれは交感神経過緊張(sympathetic over activity;SOA)を伴う重症破傷風を2例経験し, 筋硬直と循環系変動のコントロールに難渋した. そこで, 全身の筋硬直とSOAを伴う破傷風症例(Ablett分類Grade III b)で, 治療内容および臨床経過が比較的詳細に記載されている本邦報告例36例と自験例2例を, 1986年より1996年までの前期群20例と1997年より2006年までの後期群18例の2群に分け, 治療内容の変遷及び気管挿管日数, SOAの持続期間, 転帰について比較した. 両群間で鎮静薬の種類に多少の差はあるが, 筋硬直, SOAに対する治療...

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Published in山口医学 Vol. 57; no. 4; p. 118
Main Authors 中村真之, 鴛渕るみ, 郷原徹, 角千恵子, 伊藤誠, 中村久美子, 岡英男, 田村尚, 又吉康俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 31.08.2008
Yamaguchi University Medical Association
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ISSN0513-1731

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Summary:最近, われわれは交感神経過緊張(sympathetic over activity;SOA)を伴う重症破傷風を2例経験し, 筋硬直と循環系変動のコントロールに難渋した. そこで, 全身の筋硬直とSOAを伴う破傷風症例(Ablett分類Grade III b)で, 治療内容および臨床経過が比較的詳細に記載されている本邦報告例36例と自験例2例を, 1986年より1996年までの前期群20例と1997年より2006年までの後期群18例の2群に分け, 治療内容の変遷及び気管挿管日数, SOAの持続期間, 転帰について比較した. 両群間で鎮静薬の種類に多少の差はあるが, 筋硬直, SOAに対する治療法に大きな変化はなく, 気管挿管日数, SOAの持続期間は短縮されていなかった.
ISSN:0513-1731