3. パラタルバーの設定位置が厚さ弁別能に及ぼす影響

上顎部分床義歯装着が厚さ弁別能にどのような影響を及ぼすかについて, 前・中・後パラタルバー設定位置を基に作製した実験用口蓋床を用い, 厚さ弁別能・厚さ認識部位について検討するとともに, 一定期間装着した際の影響についても検討した. その結果, 口蓋被覆の有無・部位に関わらず前パラタルバー設定位置を被覆した時厚さ弁別能への影響が有意に大きく, この部位で有意に厚さを認識していた. また当部位を被覆する口蓋床を2週間装着することで, 低下した厚さ弁別能は有意に回復した. つまり前パラタルバー設定位置を被覆する有床義歯は, 装着当初, 口腔内摂取直後の厚さ弁別能に影響を及ぼすが, 装着2週間後には有...

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Published in九州歯科学会雑誌 Vol. 62; no. 5; p. 149
Main Author 麻生千織
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州歯科学会 25.01.2009
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Summary:上顎部分床義歯装着が厚さ弁別能にどのような影響を及ぼすかについて, 前・中・後パラタルバー設定位置を基に作製した実験用口蓋床を用い, 厚さ弁別能・厚さ認識部位について検討するとともに, 一定期間装着した際の影響についても検討した. その結果, 口蓋被覆の有無・部位に関わらず前パラタルバー設定位置を被覆した時厚さ弁別能への影響が有意に大きく, この部位で有意に厚さを認識していた. また当部位を被覆する口蓋床を2週間装着することで, 低下した厚さ弁別能は有意に回復した. つまり前パラタルバー設定位置を被覆する有床義歯は, 装着当初, 口腔内摂取直後の厚さ弁別能に影響を及ぼすが, 装着2週間後には有意に改善することが推察された.
ISSN:0368-6833