5.Hsp90シャペロンコンプレックス阻害剤によるアンドロゲン依存性前立腺癌細胞株の放射線増感作用

【目的】アンドロゲン受容体はHsp90とのシャペロンコンプレックス形成が, その機能維持に重要である. そこでDihydrotestosterone(DHT)の放射線感受性への影響とHsp90シャペロンコンプレックス阻害による放射線またはDHTの効果の修飾についてホルモン感受性前立腺癌細胞株LnCapを用いて検討した. 【方法】放射線感受性はClonogenic assayで検討し, Hsp90シャペロンコンプレックス阻害としてradicicolを用いた. 【結果】DHT1nMの併用で増殖能の軽度の亢進と放射線感受性の低下が認められた. radicicol 100nMをDHTに併用すると, D...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 53; no. 2; pp. 228 - 229
Main Authors 原島浩一, 秋元哲夫, 野中哲生, 中野隆史, 三橋紀夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.05.2003
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Summary:【目的】アンドロゲン受容体はHsp90とのシャペロンコンプレックス形成が, その機能維持に重要である. そこでDihydrotestosterone(DHT)の放射線感受性への影響とHsp90シャペロンコンプレックス阻害による放射線またはDHTの効果の修飾についてホルモン感受性前立腺癌細胞株LnCapを用いて検討した. 【方法】放射線感受性はClonogenic assayで検討し, Hsp90シャペロンコンプレックス阻害としてradicicolを用いた. 【結果】DHT1nMの併用で増殖能の軽度の亢進と放射線感受性の低下が認められた. radicicol 100nMをDHTに併用すると, DHTによる放射線抵抗性の阻害に加え相乗的な放射線増感が認められた. アンドロゲン受容体の発現はDHTまたは放射線では影響がみられないが, radicicolの併用で発現低下が認められた. 【考察】Hsp90シャペロンコンプレックス阻害剤によりアンドロゲン依存性腫瘍の増感効果が認められたが, その機序にアンドロゲン受容体の発現低下によるホルモン反応性の変化が関与していることが示唆された.
ISSN:1343-2826