7.視床出血後急性期において皮膚交感神経活動の著明な亢進を認めた1症例

皮膚交感神経は, 発汗および皮膚血管の収縮を調節しており, 外気温の変化に応じた体温の調節を行っている. 視床出血患者は, 感覚障害を合併することが多く外気温に対する体温調節障害がある可能性があり, また, 発症急性期における一時的な体温上昇は臨床上よく経験する. これらのことより, 視床出血後, 特に急性期において皮桑膚交感神経活動が異常を来たしている可能性がある. そこで, マイクロニューログラフィーの手法を用い, 視床出血後急性期の患者における皮膚交感神経活動を観察したので報告する. 症例は, 58歳の女性, 発症後18日目に, 安静臥床の状態で腓骨神経より直接皮膚交感神経活動を記録した...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 42; no. 11; p. 791
Main Authors 神埜奈美, 中村 健, 幸田 剣, 佐々木緑, 田島文博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.11.2005
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Summary:皮膚交感神経は, 発汗および皮膚血管の収縮を調節しており, 外気温の変化に応じた体温の調節を行っている. 視床出血患者は, 感覚障害を合併することが多く外気温に対する体温調節障害がある可能性があり, また, 発症急性期における一時的な体温上昇は臨床上よく経験する. これらのことより, 視床出血後, 特に急性期において皮桑膚交感神経活動が異常を来たしている可能性がある. そこで, マイクロニューログラフィーの手法を用い, 視床出血後急性期の患者における皮膚交感神経活動を観察したので報告する. 症例は, 58歳の女性, 発症後18日目に, 安静臥床の状態で腓骨神経より直接皮膚交感神経活動を記録した. 皮膚交感神経活動はバースト波形として記録できるが, 通常の健常者により観察されるバースト数に比べ, 視床出血患者では著明な増加(49.6±3.4bursts/min)を認めた. この結果, 視床出血後急性期の患者では安静状態における皮膚交感神経活動は, 著明な亢進を示していることが示唆された.
ISSN:0034-351X