栄養管理
「はじめに」栄養療法の適応は, かつてとは大きく様変わりしている. 経腸栄養法の優位性が主張され, 高カロリー輸液の適応はより厳密になった. 近年, 分子生物学の進歩により, 種々の生体反応の仕組みが明らかにされ, 過大侵襲反応を惹起するcytokine を初めとする種々のmediatorや, 侵襲反応が引き起こす免疫抑制, がんの増殖や転移を促進する分子機構をも, 栄養法を工夫することで調節できる可能性が生まれ, 今, 臨床栄養学は新しい局面を迎えている. エネルギー所要量 エネルギー所要量は, 間接熱量測定でエネルギー消費量が実測されるようになって, ほぼ確立した. 重症熱傷, 人工換気下...
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Published in | 日本農村医学会雑誌 Vol. 50; no. suppl; pp. 154 - 155 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本農村医学会
25.03.2002
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ISSN | 0468-2513 |
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Summary: | 「はじめに」栄養療法の適応は, かつてとは大きく様変わりしている. 経腸栄養法の優位性が主張され, 高カロリー輸液の適応はより厳密になった. 近年, 分子生物学の進歩により, 種々の生体反応の仕組みが明らかにされ, 過大侵襲反応を惹起するcytokine を初めとする種々のmediatorや, 侵襲反応が引き起こす免疫抑制, がんの増殖や転移を促進する分子機構をも, 栄養法を工夫することで調節できる可能性が生まれ, 今, 臨床栄養学は新しい局面を迎えている. エネルギー所要量 エネルギー所要量は, 間接熱量測定でエネルギー消費量が実測されるようになって, ほぼ確立した. 重症熱傷, 人工換気下などの刻々変化する重症患者の管理に当たっては, ベッドサイドでエネルギー消費量を実測することが最も確実である. 最近では, 過剰なエネルギー投与が臨床上有害であるとの報告もみられるようになり, 侵襲下でTPNを画一的に施行することの是非が問われている. |
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ISSN: | 0468-2513 |