P-13. 電解中性水の歯科臨床への応用 第6報 改良型ジェルの保存安定性

強および弱電解酸性水と同等の優れた殺菌効果を瞬時に示し, これらよりも金属腐食への影響が小さく, ボスミン(R)と同等の優れた局所止血効果も有する電解中性水の応用範囲を拡げるために, 寒天によるジェル化法の開発ならびに試作ジェルの調製9日後までの殺菌効果について前報で報告した. 今回, 改良型ジェルの殺菌効果およびその指標となる残留塩素の持続性を調製後3週間まで調べ, 適切な保存方法を検討した. 生成器メーカーの調整による高濃度残留塩素を有する中性水を用いて, 改良型ジェル(残留塩素70ppm)を調製した. 非遮光室温保存では同一濃度の中性水よりも残留塩素濃度の低下が大きく, それに伴い調製後...

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Published in九州歯科学会雑誌 Vol. 62; no. 5; p. 184
Main Authors 永松有紀, 北訓明, 陳克恭, 田島清司, 柿川宏, 渡辺健治, 小園凱夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州歯科学会 25.01.2009
Kyushu Dental Society
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ISSN0368-6833

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Summary:強および弱電解酸性水と同等の優れた殺菌効果を瞬時に示し, これらよりも金属腐食への影響が小さく, ボスミン(R)と同等の優れた局所止血効果も有する電解中性水の応用範囲を拡げるために, 寒天によるジェル化法の開発ならびに試作ジェルの調製9日後までの殺菌効果について前報で報告した. 今回, 改良型ジェルの殺菌効果およびその指標となる残留塩素の持続性を調製後3週間まで調べ, 適切な保存方法を検討した. 生成器メーカーの調整による高濃度残留塩素を有する中性水を用いて, 改良型ジェル(残留塩素70ppm)を調製した. 非遮光室温保存では同一濃度の中性水よりも残留塩素濃度の低下が大きく, それに伴い調製後1週間しか高い殺菌効果を維持できなかった. 一方, 遮光冷蔵保存したジェルは, 保存3週間後も同一濃度の中性水と同等の残留塩素濃度および殺菌効果を維持し, 調製後3週間でも殺菌効果は全く低下しなかった. 中性水は室温中でも高い保存安定性を示すが, ジェル化後に高い殺菌効果を維持するためには, 遮光冷蔵保存が必要であることがわかった. 改良型ジェルは, 保存方法の工夫により歯科臨床において活用できることが示唆された.
ISSN:0368-6833