13.シータバースト連続磁気刺激がヒト運動野の興奮性に及ぼす影響

【目的】近年, シータバースト連続磁気刺激(TBS)がヒトの運動野の興奮性を短時間で変化させることが報告された(Huangら, 2005年). そこで我々もTBSが両側の運動野の興奮性に及ぼす影響を検討した. 【方法】健常成人9名を対象とした. TBSは, 8の字コイルを用い, 随意収縮時運動閾値の80%の強度で, 50Hz周期の3連発を5Hzの周期で与える方法(continuous TBS)を用い, 経頭蓋的に左運動野またはその2cm後方の部位を40秒間刺激した(計600回刺激). TBSの前後で経時的に両側の第一背側骨間筋から単発磁気刺激によるMEPを記録し, その振幅の変化を検討した....

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 43; no. 10; p. 698
Main Authors 松永 薫, 中西亮二, 山永裕明, 石川聖子, 川平和美, 辻 貞俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.10.2006
社団法人日本リハビリテーション医学会
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
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ISSN0034-351X

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Summary:【目的】近年, シータバースト連続磁気刺激(TBS)がヒトの運動野の興奮性を短時間で変化させることが報告された(Huangら, 2005年). そこで我々もTBSが両側の運動野の興奮性に及ぼす影響を検討した. 【方法】健常成人9名を対象とした. TBSは, 8の字コイルを用い, 随意収縮時運動閾値の80%の強度で, 50Hz周期の3連発を5Hzの周期で与える方法(continuous TBS)を用い, 経頭蓋的に左運動野またはその2cm後方の部位を40秒間刺激した(計600回刺激). TBSの前後で経時的に両側の第一背側骨間筋から単発磁気刺激によるMEPを記録し, その振幅の変化を検討した. 【結果】過去の報告のように, 左運動野へのTBSにより右記録のMEPの振幅が約1時間程度低下するとともに, 左記録のMEP振幅も同様の経過で低下した. 【考察】一側運動野へのTBSは両側の運動野の興奮性を低下させることが明らかとなった. 今後, この方法は片麻痺患者のリハビリテーションへの応用が期待される.
ISSN:0034-351X