NO.15 G蛋白質共役型受容体GPR30の細胞内局在の検討

GPR30はG蛋白質と共役して機能する7回膜貫通型受容体である. 近年, 女性ホルモンであるエストロゲンがGPR30のリガンドであることが報告されたが, その細胞内局在の詳細は未だ明らかとなっていない. そこで本研究では, GPR30に対する特異的抗体を作製し, エストロゲン刺激による局在の変化, in vivoにおけるGPR30の局在を検討した. その結果, FLAG-GPR30をトランスフェクションした培養細胞の免疫染色では, GPR30は細胞膜に局在しているのが観察された. さらにこの細胞をエストロゲンで刺激することにより, 細胞内カルシウムが増加し, またGPR30の細胞膜から細胞質へ...

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Published in山口医学 Vol. 55; no. 2/3; pp. 97 - 98
Main Authors 船越丈司, 柳井章江, 篠田晃, 河野道生, 水上洋一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 30.06.2006
Yamaguchi University Medical Association
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ISSN0513-1731

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Summary:GPR30はG蛋白質と共役して機能する7回膜貫通型受容体である. 近年, 女性ホルモンであるエストロゲンがGPR30のリガンドであることが報告されたが, その細胞内局在の詳細は未だ明らかとなっていない. そこで本研究では, GPR30に対する特異的抗体を作製し, エストロゲン刺激による局在の変化, in vivoにおけるGPR30の局在を検討した. その結果, FLAG-GPR30をトランスフェクションした培養細胞の免疫染色では, GPR30は細胞膜に局在しているのが観察された. さらにこの細胞をエストロゲンで刺激することにより, 細胞内カルシウムが増加し, またGPR30の細胞膜から細胞質への局在の変化もみられた. ラット脳における免疫組織染色, 電子顕微鏡による観察においても, GPR30は細胞膜に局在していることが明らかとなった. 以上の結果から, GPR30はin vivoにおいて細胞膜に局在し, エストロゲンの刺激を細胞内に伝えていると考えられる.
ISSN:0513-1731