P-45. 摂食嚥下訓練および口腔機能訓練に応用可能な保湿ゲル剤の開発に関する研究

我々は, 口腔機能評価にも応用可能な保湿ゲル化剤を開発するために, 臨床で用いられているとろみ剤, ゲル状保湿剤, 嚥下造影用とろみ剤および唾液の曳糸性と粘性について検討した. また, ゲル状保湿剤については経時的蒸発度についても検討を加えた. その結果, 唾液の粘度は1.2~2mmでこの数値は生理食塩水の1.2~3倍であった. ヒアルロン酸ナトリウムは濃度が高くなるにつれて, 糸引き度が高くなった. とろみ剤においては, 同じ成分表示であっても, 糸引き度や粘性が大きく異なっていた. バリウムが入ったとろみ剤は, 粘度が低くなった. 市販のゲル状保湿剤の曳糸性は0.75から4.6mmで, 粘...

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Published in九州歯科学会雑誌 Vol. 62; no. 5; p. 205
Main Authors 柿木保明, 尾崎由衛, 榊原葉子, 上森尚子, 西原達次, 井上雅博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州歯科学会 25.01.2009
Kyushu Dental Society
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ISSN0368-6833

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Summary:我々は, 口腔機能評価にも応用可能な保湿ゲル化剤を開発するために, 臨床で用いられているとろみ剤, ゲル状保湿剤, 嚥下造影用とろみ剤および唾液の曳糸性と粘性について検討した. また, ゲル状保湿剤については経時的蒸発度についても検討を加えた. その結果, 唾液の粘度は1.2~2mmでこの数値は生理食塩水の1.2~3倍であった. ヒアルロン酸ナトリウムは濃度が高くなるにつれて, 糸引き度が高くなった. とろみ剤においては, 同じ成分表示であっても, 糸引き度や粘性が大きく異なっていた. バリウムが入ったとろみ剤は, 粘度が低くなった. 市販のゲル状保湿剤の曳糸性は0.75から4.6mmで, 粘性は5.7~405mPa.sであり, 製品によって大きな差がみられた. ゲル状保湿剤は, 蒸発度の特徴から, 大きく4群に分けることができたことから, 効果的に臨床応用できるような物理的な特徴を有することが重要であると思われた.
ISSN:0368-6833