PANOURA 15 DIGIPANの画質解析

歯科領域のX線診断に広く用いられているパノラマX線撮影装置は, 近年デジタル化が進み, 画像データをフィルムレスで取り扱う機会が多くなってきた. 画像データの保存や通信などにおいては, 画像ファイルサイズの大きさゆえデータを圧縮するのが一般的である. そこで我々は, 画像データを圧縮することによって画質がどのように変化するか, コントラスト値とModulation Transfer Function(MTF)から評価した. ディジタルパノラマX線撮影装置パノーラ15DIGIPAN(R)仕様((株)ヨシダ, 東京)の前歯部断層軌道面上に短形波チャート(FUNK社)を設置し, 0~4.0LP/mm...

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Published in歯科放射線 Vol. 41; no. suppl; p. 25
Main Authors 佐藤昭弘, 中浜久則, 大和里枝子, 多田美和子, 井上浩, 奥村泰彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯科放射線学会 30.09.2001
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ISSN0389-9705

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Summary:歯科領域のX線診断に広く用いられているパノラマX線撮影装置は, 近年デジタル化が進み, 画像データをフィルムレスで取り扱う機会が多くなってきた. 画像データの保存や通信などにおいては, 画像ファイルサイズの大きさゆえデータを圧縮するのが一般的である. そこで我々は, 画像データを圧縮することによって画質がどのように変化するか, コントラスト値とModulation Transfer Function(MTF)から評価した. ディジタルパノラマX線撮影装置パノーラ15DIGIPAN(R)仕様((株)ヨシダ, 東京)の前歯部断層軌道面上に短形波チャート(FUNK社)を設置し, 0~4.0LP/mmの各空間周波数を撮影してその非圧縮像・圧縮像データを作成し, それぞれを別ファイルとして保存した. ファイル中の画像データ計測には8bitスケールで輝度レベル階調測定する自作ソフトを用い, 各空間周波数について圧縮・非圧縮画像データのコントラスト値を測定した. 次に前歯部断層軌道面上に設置した自作エッジファントムを撮影してその非圧縮像・圧縮像データを作成し, それぞれを別ファイルとして保存した. ファイル中の画像データ計測には8bitスケールで輝度レベル階調測定する自作ソフトを用い, 圧縮・非圧縮像データよりエッジ法にてMTFを求めた. 結果は, コントラスト値・MTFともに圧縮・非圧縮間で有意な差を認めなかった. DIGIPAN(R)では, 非圧縮像はTIFFフォーマットのLZWを, 圧縮像はJPEGを用いている. 画像データの圧縮によりファイルサイズが約1/10になるが, 画像工学的に有意差を認めなかった. 一般的臨床での使用では, 積極的に圧縮操作を行っても診断には影響されないと思われる.
ISSN:0389-9705