9. 頸椎椎弓拡大術後の頸椎alignmentおよび可動域の変化
【緒言】棘突起縦割式脊柱管拡大術は頸椎の後方要素を温存することで頸椎の生体力学的機能が保たれる術式として広く行われている. 神経機能の改善は術後長期にわたって維持されることが報告されているが, 頸椎alignment, 可動域の経年的変化に関する報告は少ない. 【目的】本研究の目的は, 脊柱管拡大術をうけた症例において術後の頸椎アライメントと可動域の経時的変化を調査, 検討することである. 【対象と方法】対象は, 脊柱管拡大術を施行し2年以上のfollow upが可能であった39症例である. 対象疾患は頸椎OPLL22例, 頸椎症17例であった. 手術術式は, 全例棘突起縦割法脊柱管拡大術を用...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 42; no. 6; p. 426 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.06.2005
社団法人日本リハビリテーション医学会 The Japanese Association of Rehabilitation Medicine |
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 【緒言】棘突起縦割式脊柱管拡大術は頸椎の後方要素を温存することで頸椎の生体力学的機能が保たれる術式として広く行われている. 神経機能の改善は術後長期にわたって維持されることが報告されているが, 頸椎alignment, 可動域の経年的変化に関する報告は少ない. 【目的】本研究の目的は, 脊柱管拡大術をうけた症例において術後の頸椎アライメントと可動域の経時的変化を調査, 検討することである. 【対象と方法】対象は, 脊柱管拡大術を施行し2年以上のfollow upが可能であった39症例である. 対象疾患は頸椎OPLL22例, 頸椎症17例であった. 手術術式は, 全例棘突起縦割法脊柱管拡大術を用い手術範囲は, C2-C7 5例, C3-T1 4例, C3-C7 30例であった. 手術時平均年齢は58.8歳, 術後平均経過観察期間は5.2年であった. 検討項目は, 術前, 術後における頸椎アライメント, 可動域である. 各群間の検定にはMann-Whitney U testを用いた. 【結果と考察】頸椎前弯角は術前平均12.5度であった前弯角が術後1年で9. 5度, 最終観察時には7.4度に減少していた. 頸椎可動域では術前平均42度から最終観察時において32度へと28%の減少であった. 前弯角の減少および可動域の減少を軽減する術式, 後療法の工夫が必要と思われる. |
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ISSN: | 0034-351X |