25.唾液中のカテコールアミンについて

生体内において, 生理活性アミンの一つであるカテコールアミンは, first chemicalmessengerであり, 副腎髄質の機能と深い関連を持っており, また強力な代謝調節作用を持っている. 医科領域において, 尿中または血中のカテコールアミンの測定は, 代謝系の異常, 精神神経疾患, 高血圧など約400種におよぶ疾患の診断や治療の効果の判定に用いられている. しかしながら, 歯周疾患とカテコールアミンとの関連については, 不明な点が多い. 最近, 谷村らは, 高速液体クロマトグラフィーを用いるカテコールアミン分析法を開発した. この方法は, 前処理が非常に簡単であり, 回収率も良く(...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 26; no. 1; p. 144
Main Authors 大森恒, 太田純夫, 稲垣幸司, 岡部京平, 中静正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯周病学会 28.03.1984
特定非営利活動法人日本歯周病学会
The Japanese Society of Periodontology
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ISSN0385-0110

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Summary:生体内において, 生理活性アミンの一つであるカテコールアミンは, first chemicalmessengerであり, 副腎髄質の機能と深い関連を持っており, また強力な代謝調節作用を持っている. 医科領域において, 尿中または血中のカテコールアミンの測定は, 代謝系の異常, 精神神経疾患, 高血圧など約400種におよぶ疾患の診断や治療の効果の判定に用いられている. しかしながら, 歯周疾患とカテコールアミンとの関連については, 不明な点が多い. 最近, 谷村らは, 高速液体クロマトグラフィーを用いるカテコールアミン分析法を開発した. この方法は, 前処理が非常に簡単であり, 回収率も良く(エピネフィリン95.9%, ノルエピネフィリン99.7%), また, エピネフィリンで20~300pg/ml, ノルエピネフィリンで50~600pg/mlで直線関係が得られたので, この方法を応用して歯周の健康者と疾患者より採取した唾液中のエピネフィリンとノルエピネフィリン量を測定した. その結果, エピネフィリンにおいて, 歯周の健康者で平均65.3±19.2pg/ml, 疾患者で平均88.1±22.8pg/mlであり, 疾患者の方が約1.3倍高い値を示した.
ISSN:0385-0110