夫婦寮において今後望まれる介護について考える第2報~入居者の個別分析と聞き取り調査からの検討

ここ数年にわたり高齢化した入居者の生活を見つめなおし, 今望まれる介護について検討を続けてきた. 多様化する入居者の心身のニーズに対応して行くことが必要であり, 個別な介護が必要であるということは言うまでもないことである. 昨年からは夫婦寮の各個人の生活力や心身の状態に眼を向けてきた. 夫婦の場合は, 機能的あるいは精神的またいずれの介護も必要なものと, 介護を提供する介護員との間にもう1人の介護者いわゆる配偶者の存在がある. したがって, 夫婦個人の生活状況の把握が非常に難しい. 昨年の介護員へのアンケート調査からでも, 夫婦各個人の現状を単身者と等しくとらえられている者はいないということが...

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Published in日本ハンセン病学会雑誌 Vol. 72; no. 2; p. 171
Main Authors 井口智之, 岩崎徹也, 中村ゆかり
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ハンセン病学会 01.06.2003
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ISSN1342-3681

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Summary:ここ数年にわたり高齢化した入居者の生活を見つめなおし, 今望まれる介護について検討を続けてきた. 多様化する入居者の心身のニーズに対応して行くことが必要であり, 個別な介護が必要であるということは言うまでもないことである. 昨年からは夫婦寮の各個人の生活力や心身の状態に眼を向けてきた. 夫婦の場合は, 機能的あるいは精神的またいずれの介護も必要なものと, 介護を提供する介護員との間にもう1人の介護者いわゆる配偶者の存在がある. したがって, 夫婦個人の生活状況の把握が非常に難しい. 昨年の介護員へのアンケート調査からでも, 夫婦各個人の現状を単身者と等しくとらえられている者はいないということが明らかであった. また, それら介護員は, この状況に危機感を抱いているということも明らかとなった. その後1年間で更に夫婦個人の生活力が低下し, 介護内容もますます多様化している.
ISSN:1342-3681