9.スチレンとフロセミドの複合曝露によるモルモットの聴覚に対する影響(第1報)-聴性脳幹反応(ABR)を用いた聴覚閾値の検討

モルモットを被検動物としてスチレンとフロセミドの複合曝露を行い, 聴性脳幹反応(ABR)を用いて聴覚に対する相乗影響を比較検討した. 【方法】(1)スチレン単独群(4匹)は1日8時間, 21日間スチレン900ppmを曝露した. (2)複合曝露群(各4匹)は上記曝露中に曝露8日目よりフロセミド60, 80mg/kgを14日間腹腔内投与した. (3)対照群(3匹)は曝露を除いて, 曝露群と同様な条件とした. 以上計15匹を被検動物とした. ABRの測定は, 2, 4, 8, 16kHzの刺激音を加え, 曝露の開始前, 直後, 2, 4週後に行った. 【結果及び考察】複合曝露はスチレン単独曝露に比べ...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 47; no. 1; p. 49
Main Authors 齋藤憲光, 原田浩二, 井上佳代子, 吉永侃夫, 小泉昭夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.01.2005
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Summary:モルモットを被検動物としてスチレンとフロセミドの複合曝露を行い, 聴性脳幹反応(ABR)を用いて聴覚に対する相乗影響を比較検討した. 【方法】(1)スチレン単独群(4匹)は1日8時間, 21日間スチレン900ppmを曝露した. (2)複合曝露群(各4匹)は上記曝露中に曝露8日目よりフロセミド60, 80mg/kgを14日間腹腔内投与した. (3)対照群(3匹)は曝露を除いて, 曝露群と同様な条件とした. 以上計15匹を被検動物とした. ABRの測定は, 2, 4, 8, 16kHzの刺激音を加え, 曝露の開始前, 直後, 2, 4週後に行った. 【結果及び考察】複合曝露はスチレン単独曝露に比べABRの閾値上昇が大きく, その影響は持続する傾向があり, 4, 8kHz刺激音においては相互作用を認めた. このことからスチレンとフロセミドを同時曝露することで聴覚閾値に明確な複合影響が認められた. また曝露終了直後の閾値上昇は900+60群より900+80群の方が大きかったことより, 複合影響の量-影響関係が示唆された.
ISSN:1341-0725