3.アルコール性肝硬変に合併したspur cell anemiaの1例

【症例】43歳, 男性. 【現病歴】大酒家であり, 約10年前より肝障害を指摘されるも放置していた. 平成14年11月, 全身倦怠感を主訴に他院を受診し, アルコール性肝硬変の診断で入院加療を受けた. その後赤城高原ホスピタルに転院し, 治療を継続していたが, 黄疸増悪RC陽性の食道静脈瘤を認めたため, 平成15年1月27日, 精査加療目的で当院に紹介入院となった. 入院時全身黄染著明で, 下腿浮腫を認めるも腹水貯留は見られなかった. Hb 9.3g/dl, WBC 7750/μl, Plt 9.7×104/μl, PT 31.8%, T-bil 13.0mg/dl(D-bil 6.2mg/d...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 54; no. 2; p. 186
Main Authors 中島良実, 神田大輔, 家崎桂吾, 吉永輝夫, 樋口次男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.05.2004
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Summary:【症例】43歳, 男性. 【現病歴】大酒家であり, 約10年前より肝障害を指摘されるも放置していた. 平成14年11月, 全身倦怠感を主訴に他院を受診し, アルコール性肝硬変の診断で入院加療を受けた. その後赤城高原ホスピタルに転院し, 治療を継続していたが, 黄疸増悪RC陽性の食道静脈瘤を認めたため, 平成15年1月27日, 精査加療目的で当院に紹介入院となった. 入院時全身黄染著明で, 下腿浮腫を認めるも腹水貯留は見られなかった. Hb 9.3g/dl, WBC 7750/μl, Plt 9.7×104/μl, PT 31.8%, T-bil 13.0mg/dl(D-bil 6.2mg/dl), GOT 49 IU/l, GPT 26 IU/l, LDH 270 IU/l, γGTP 31 IU/l, T-chol 276mg/dlであった. 末梢血塗沫標本でspur cellを認め, アルコール性肝硬変に合併した溶血性貧血と診断した. 食道静脈瘤に対して2月27日にEVLを施行した. また, 安静にて貧血, 黄疸の改善が得られないため, 3月17日に腹腔鏡下脾臓摘出術を施行した. 術後経過良好であったが, 4月1日出血性胃潰瘍を併発, 肝不全に陥り, 4月5日より血漿交換, 血液濾過透析も施行したが, 4月8日に永眠された. 【考察】今回アルコール性肝硬変に合併したspur cell anemiaの1例を経験した. 非常に興味深い症例と考え, ここに報告した.
ISSN:1343-2826