19.脳卒中後遺片麻痺患者の歩行分析-時間・距離因子および床反力波形の代表値について

発症1年未満の脳卒中麻痺患者の歩行を, 4m×80cmの三次元床反力計により計測し, 垂直力およびCOPから時間, 距離因子を算出. 床反力波形は各位相を1周期における比率で規格化, 位相毎に加算平均後再合成した. これらの床反力データを各Br. stage毎に代表値を求め, 特徴を探索した. 結果:(1)時間距離因子:Br. stageが高い程, 歩調, 歩輻は増加, 健足立脚期の割合は急減, 両脚支持期は減少, 左右差は減少した. 立脚期の割合は患足の方が小であり, 両脚支持期の差は少なかった. 歩幅は患足前方時の方が小であった. (2)床反力波形:Br. stageIIIの両脚支持期に次...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inリハビリテーション医学 Vol. 21; no. 6; pp. 414 - 415
Main Authors 高見正利, 相川孝訓, 奥村信二, 山田雪雄, 光安郁雄, 森田定雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.01.1984
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:発症1年未満の脳卒中麻痺患者の歩行を, 4m×80cmの三次元床反力計により計測し, 垂直力およびCOPから時間, 距離因子を算出. 床反力波形は各位相を1周期における比率で規格化, 位相毎に加算平均後再合成した. これらの床反力データを各Br. stage毎に代表値を求め, 特徴を探索した. 結果:(1)時間距離因子:Br. stageが高い程, 歩調, 歩輻は増加, 健足立脚期の割合は急減, 両脚支持期は減少, 左右差は減少した. 立脚期の割合は患足の方が小であり, 両脚支持期の差は少なかった. 歩幅は患足前方時の方が小であった. (2)床反力波形:Br. stageIIIの両脚支持期に次の傾向があった. 患足制動期での垂直力加重時に停留域が生じる. COPが後退した時, 前後合力は逆勾配のカーブを描くことがある. 患足の側方力は停留域後, 健足より大である. 患足駆動期の伸展パターンは, 垂直力抜重時に停留域を生じ, 患足に制動力(引きずり)が出現する. 一般に患足の駆動力は小で, すぐ零点を通過するが, 固縮等の時は駆動力は大となる場合がある. Br. stage上昇に伴い, 荷重移動はスムーズ, 垂直合力, 前後力は増加し左右対称性はよくなる. 両脚支持期で波形のばらつきが大きい. (3)さらに, 深部知覚脱出は歩調, 歩幅の減少, 床反力波形の対称性の悪化, 反張膝は健足側の垂直力波形立ち上がり時に2~3のノッチ, 健足筋力低下は歩調大等の特徴も検出した.
ISSN:0034-351X