新潟県歯科保健推進条例の制定と今後の展開
歯・口腔の健康づくりは, 全身の健康を保ち, 人々の生活の質向上を図るとともに, ひいては健康寿命の延伸に寄与する. そのためには生涯にわたる歯科保健施策が必要であるが, わが国においてはそれらを総合的に実施するための一貫した法的根拠が乏しい. 歯科保健関係者等からは「歯科保健法」の制定が強く求められているが, いまだに制定にはいたっていない. このような中で, 新潟県では, 平成20年6月県議会において全国初めての「新潟県歯科保健推進条例」が制定され, 7月22日に公布された. 条例とは, 地方自治の精神に基づき, 地方自治体が住民との対話・協調を通じて定めることのできる地方独自の政策を実現...
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Published in | 口腔衛生学会雑誌 Vol. 59; no. 1; p. 1 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本口腔衛生学会
30.01.2009
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ISSN | 0023-2831 |
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Summary: | 歯・口腔の健康づくりは, 全身の健康を保ち, 人々の生活の質向上を図るとともに, ひいては健康寿命の延伸に寄与する. そのためには生涯にわたる歯科保健施策が必要であるが, わが国においてはそれらを総合的に実施するための一貫した法的根拠が乏しい. 歯科保健関係者等からは「歯科保健法」の制定が強く求められているが, いまだに制定にはいたっていない. このような中で, 新潟県では, 平成20年6月県議会において全国初めての「新潟県歯科保健推進条例」が制定され, 7月22日に公布された. 条例とは, 地方自治の精神に基づき, 地方自治体が住民との対話・協調を通じて定めることのできる地方独自の政策を実現するための「地方の法律」である. 新潟県では, 全国に先駆けてフッ化物洗口の補助制度を設け, 子供たちのむし歯を半減させることを目標とした「むし歯半減10か年運動」を昭和56年度から県民運動として開始するなど, 関係者が一丸となって取り組み, 四半世紀を超える歯科保健対策をねばり強く進めてきた長い歴史が条例制定のベースにある. |
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ISSN: | 0023-2831 |