P-5. Mash1による味蕾細胞の分化制御

味蕾細胞は, 味蕾基底細胞と, 味蕾基底細胞から分化するI型, II型, III型細胞の4種類の細胞に分類されている. そしてそれぞれの細胞型が異なった機能をもち, それらの細胞型が集合して味蕾としての機能を営んでいることが推測される. しかしながら, 基底細胞から味蕾の各細胞型への分化の制御機構についてはまだ解明されていない. 本研究では, III型細胞の分化に関係すると考えられている転写制御因子のMash1の機能について検索するために, マウスの初代培養舌上皮にMash1を強制発現させて, 舌上皮細胞における分化形質発現の変化を検索した. マウスの初代培養舌上皮にMash1を強制発現させる...

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Published in九州歯科学会雑誌 Vol. 61; no. 4/5; pp. 139 - 140
Main Authors 瀬田祐司, 豊野 孝, 片岡真司, 豊島邦昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州歯科学会 25.11.2007
Kyushu Dental Society
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ISSN0368-6833

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Summary:味蕾細胞は, 味蕾基底細胞と, 味蕾基底細胞から分化するI型, II型, III型細胞の4種類の細胞に分類されている. そしてそれぞれの細胞型が異なった機能をもち, それらの細胞型が集合して味蕾としての機能を営んでいることが推測される. しかしながら, 基底細胞から味蕾の各細胞型への分化の制御機構についてはまだ解明されていない. 本研究では, III型細胞の分化に関係すると考えられている転写制御因子のMash1の機能について検索するために, マウスの初代培養舌上皮にMash1を強制発現させて, 舌上皮細胞における分化形質発現の変化を検索した. マウスの初代培養舌上皮にMash1を強制発現させると, GAD67, AADCなどの味蕾のIII型細胞に発現が認められる遺伝子の発現がRT-PCRで確認された. さらに, 免疫染色でもAADCの発現がMash1発現舌上皮細胞に観察された. これらのことから, Mash1が味蕾のIII型細胞の分化において重要な機能を演じていることが推測された.
ISSN:0368-6833