献血者におけるHIV抗体陽性血液の解析結果とウインドウ期のリスクに関する考察

輸血によるHIV感染の危険を最小限に抑えるためには, 輸血用血液のHIV検査の精度および感度をできるだけ高いものにすると共に, 献血者集団のなかのHIV感染率をできるだけ低く抑えておくことが重要である, しかしながら現実には献血者の中のHIV抗体陽性例は毎年徐々に増加してきており, 1996年には46例, 1997年には54例と過去最高を記録している. これらHIV抗体陽性の献血者に関して, 献血の動機, HIV感染に対する認識, 感染経路, 感染時期, 等の情報を知ることは, 今後の安全対策を考える上で極めて重要と思われるが, 実際にそのような情報を得るには多くの困難がある. このため今回は...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 45; no. 4; pp. 536 - 539
Main Author 今井光信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.08.1999
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ISSN0546-1448

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Summary:輸血によるHIV感染の危険を最小限に抑えるためには, 輸血用血液のHIV検査の精度および感度をできるだけ高いものにすると共に, 献血者集団のなかのHIV感染率をできるだけ低く抑えておくことが重要である, しかしながら現実には献血者の中のHIV抗体陽性例は毎年徐々に増加してきており, 1996年には46例, 1997年には54例と過去最高を記録している. これらHIV抗体陽性の献血者に関して, 献血の動機, HIV感染に対する認識, 感染経路, 感染時期, 等の情報を知ることは, 今後の安全対策を考える上で極めて重要と思われるが, 実際にそのような情報を得るには多くの困難がある. このため今回は先ず, HIV抗体陽性血液そのものの検査により得られる情報の解析を行った. その結果, 献血者のHIV抗体陽性例には, 感染初期と思われる症例が多く, 今後の安全対策, 特にウインドウ期対策を考える上で非常に重要な問題であることが分かったので報告する.
ISSN:0546-1448