4.生体肝移植を施行したHBc抗体陽性肝内結石合併肝硬変症の1例
【症例】59歳女性. 【主訴】右季肋部痛【現病歴】平成7年1月, 総胆管結石および肝内結石症にて公立富岡総合病院外科にて総胆管切断+肝内結石除去+肝管空腸R-Y吻合術施行. しかし, 肝内結石はびまん性に多発しているため, 以後も時々胆管炎を繰り返していた. 平成13年10月下旬より右季肋部痛, 黄疸増強認めたため, 11月1日, 同院消化器科入院となった. 【既往歴】骨粗鬆症(55歳)【検査所見】WBC7800/立方ミリ, RBC301万/立方ミリ, Hb10.1g/dl, Plt4. 7万/立方ミリ, Alb2.5g/dl, T-Bil12.5mg/dl, D-Bil 10.1mg/dl,...
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Published in | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 53; no. 1; p. 80 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
北関東医学会
01.02.2003
Kitakanto Medical Society |
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ISSN | 1343-2826 |
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Summary: | 【症例】59歳女性. 【主訴】右季肋部痛【現病歴】平成7年1月, 総胆管結石および肝内結石症にて公立富岡総合病院外科にて総胆管切断+肝内結石除去+肝管空腸R-Y吻合術施行. しかし, 肝内結石はびまん性に多発しているため, 以後も時々胆管炎を繰り返していた. 平成13年10月下旬より右季肋部痛, 黄疸増強認めたため, 11月1日, 同院消化器科入院となった. 【既往歴】骨粗鬆症(55歳)【検査所見】WBC7800/立方ミリ, RBC301万/立方ミリ, Hb10.1g/dl, Plt4. 7万/立方ミリ, Alb2.5g/dl, T-Bil12.5mg/dl, D-Bil 10.1mg/dl, AST 113U/L, ALT 751U/L, ALP 6351U/L, γ-GTP 521U/L, LDH153U/L, ChE 1603 M31U/L, BUN 17.9mg/dl, Cr0.6mg/dl, 総胆汁酸74.8umol/l, ICG 33.3%, Na 139mEq/L, K4. 2mEq/L, Cl 112mEq/L, Glu 99mg/dl, CRP 5.4mg/dl, NH3 114μg/dl, PT 75.5%, CEA 3.1ng/ml, AFP 5ng/ml, PIVKAII 130mAU/ml, CA19-9 4U/ml, HbsAg(-), HbsAb(+), HbcAb(+), HbeAg(-), HbeAb(+), HBVDNA(-), HCVAb(-), ANA 40倍, AMA陰性, 【経過】入院後, 絶食, 補液, 抗生剤投与にて症状軽快した. しかし, 今後再び同様の症状を繰り返し, 肝機能が悪化する可能性が極めて高いと考えられたため, 生体肝移植を検討. 食道静脈瘤に対して内視鏡的食道静脈瘤硬化術(EIS)を施行した後, 一時退院とした. また, HBc抗体陽性を認めたが, 血中HBV DNAリアルタイムPCR陰性であったため, ラミブジンは投与せず, 術前にHBワクチンのみ投与し, 群馬大学第一外科に2月4日入院. 平成14年2月13日, 長女をドナーとする生体肝移植を施行. 術後経過は良好で, 3月14日, 公立富岡総合病院消化器科に転院. 移植後拒絶反応もなく, 退院現在まで経過良好である. |
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ISSN: | 1343-2826 |