3.両側肺転移をともなった骨盤原発横紋筋肉腫の一治療経験
症例は5歳男児. 平成14年1月下旬に腹部腫瘤を主訴に当院受診. CT上両側肺に計10ヶ所の転移巣を伴った, 最大8×9cmの巨大骨盤内腫瘍を認めた. 2月4日に開腹生検を行い, 胎児型の横紋筋肉腫と診断した. Stage4, GroupIVの病期分類よりIRS-IVのPilot Studyを基にイフォスファミド(1.8g/m2/dx5)とピラルビシン(30mg/平方メートル/dx2)4クールを初期投与しVAC療法をおこなった. 初期投与にて肺転移巣は30%以下, 原発巣も50%以下まで縮小をみた. VAC3クール後肺転移巣の消失を認めたため8月22日原発巣の摘出術を施行した. 腫瘍は径1cm...
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Published in | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 54; no. 4; pp. 343 - 344 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
北関東医学会
01.11.2004
Kitakanto Medical Society |
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ISSN | 1343-2826 |
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Summary: | 症例は5歳男児. 平成14年1月下旬に腹部腫瘤を主訴に当院受診. CT上両側肺に計10ヶ所の転移巣を伴った, 最大8×9cmの巨大骨盤内腫瘍を認めた. 2月4日に開腹生検を行い, 胎児型の横紋筋肉腫と診断した. Stage4, GroupIVの病期分類よりIRS-IVのPilot Studyを基にイフォスファミド(1.8g/m2/dx5)とピラルビシン(30mg/平方メートル/dx2)4クールを初期投与しVAC療法をおこなった. 初期投与にて肺転移巣は30%以下, 原発巣も50%以下まで縮小をみた. VAC3クール後肺転移巣の消失を認めたため8月22日原発巣の摘出術を施行した. 腫瘍は径1cm程の大腰筋原発で肉眼的に完全摘出しえた. 膀胱, 尿管への浸潤はなく放射線治療はせず, 更にVAC6クールを追加して治療を終了した. 現在腫瘍はCRであるが, 本疾患の転移例に対する治療成績は悪く厳重なフォローが必要である. |
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ISSN: | 1343-2826 |