2. 脳卒中片麻痺患者の血圧と脈拍(第4報)
【はじめに】脳卒中急性期の坐位, 立位時の血圧を測定し, 早期リハ・プログラムに組み入れるのが可能かどうか検討したので報告する. 【対象】発症より2週間以内にリハを開始した, 21例, 平均年齢60.2歳の脳卒中片麻痺患者で, 歩行レベルは介助または不能. さらに臥位の血圧は全例コントロールされており, 血圧を左右する合併症はない. 【方法】日本コーリン自動血圧計P-680にて臥位, 端坐位, 立位, 各姿勢を5分間, 1分毎測定した. 各姿勢間については小休止は設けなかった. 【結果】発症からリハ開始までおよび測定日までの日数は平均5.4日, 8.6日であった. 収縮期血圧においては, 臥位...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 26; no. 4; p. 255 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.07.1989
社団法人日本リハビリテーション医学会 The Japanese Association of Rehabilitation Medicine |
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 【はじめに】脳卒中急性期の坐位, 立位時の血圧を測定し, 早期リハ・プログラムに組み入れるのが可能かどうか検討したので報告する. 【対象】発症より2週間以内にリハを開始した, 21例, 平均年齢60.2歳の脳卒中片麻痺患者で, 歩行レベルは介助または不能. さらに臥位の血圧は全例コントロールされており, 血圧を左右する合併症はない. 【方法】日本コーリン自動血圧計P-680にて臥位, 端坐位, 立位, 各姿勢を5分間, 1分毎測定した. 各姿勢間については小休止は設けなかった. 【結果】発症からリハ開始までおよび測定日までの日数は平均5.4日, 8.6日であった. 収縮期血圧においては, 臥位から坐位時20mmHg以上の変動がみられた例はなかったが, 立位変換1分後, ほぼ全例に低下が見られ, 中には30mmHg以上の低下を示したのが3例(多種の降圧剤使用・立位介助)もあった. 立位介助例では11例中5例に起立性低血圧がみられたが, 高血圧症合併ありなし, 脳梗塞・脳出血, 発症からの測定までの日数については血圧との関係はみられなかった. また, 測定後, 症状の増悪例はなかった. 【結語】臥位での血圧が安定していれば, 発症後, 2週間以内より坐位・立位をとらせることは可能だが, 立位介助や多量の降圧剤使用患者については血圧の注意深いリスク管理が要求される. |
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ISSN: | 0034-351X |