2.X線による吸収補正を行なった腫瘍タリウムシンチグラフィの初期経験

【はじめに】近年, 核医学画像において吸収補正が病変の検出に有用であることが報告されている. 2002年12月, X線を用いた吸収補正が利用可能なガンマカメラ(Millennium VG Harkeye option)が虎の門病院に導入された, 今回, タリウム腫瘍シンチグラフィを施行したので, 初期経験を報告する. 【症例】54歳, 男性. 他院で肺扁平上皮癌(cT2N2M0)と診断され, 当院に放射線化学療法を目的に入院, タリウム腫瘍シンチを施行した. CT画像とSPECT画像との重ねあわせにより, 腫瘍のオリエンテーションは容易であった. 吸収補正が行なわれない画像では, 原発巣腫大縦...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 53; no. 2; p. 231
Main Authors 黒崎弘正, 丸野広大, 宇木章喜, 岡崎篤, 森一晃
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.05.2003
Kitakanto Medical Society
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ISSN1343-2826

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Summary:【はじめに】近年, 核医学画像において吸収補正が病変の検出に有用であることが報告されている. 2002年12月, X線を用いた吸収補正が利用可能なガンマカメラ(Millennium VG Harkeye option)が虎の門病院に導入された, 今回, タリウム腫瘍シンチグラフィを施行したので, 初期経験を報告する. 【症例】54歳, 男性. 他院で肺扁平上皮癌(cT2N2M0)と診断され, 当院に放射線化学療法を目的に入院, タリウム腫瘍シンチを施行した. CT画像とSPECT画像との重ねあわせにより, 腫瘍のオリエンテーションは容易であった. 吸収補正が行なわれない画像では, 原発巣腫大縦隔リンパ節ともRIの取り込みははっきりしなかった. 一方, 吸収補正を行なった画像では原発巣へのRIの取り込みは明瞭であった. 【結語】X線を用いた吸収補正が可能なガンマカメラの導入により, 腫瘍のオリエンテーションは容易であった. また, 腫瘍検出能の向上が得られる可能性がある.
ISSN:1343-2826