2.冠動脈瘤に合併した若年者急性心筋梗塞の一例
症例は24歳, 男性. 平成16年5月12日夕方より胸痛が出現し持続した. 翌朝近医を受診し, 急性心筋梗塞の疑いにて当科に紹介された. 下壁梗塞の診断にて緊急冠動脈造影を行ったところ, 右冠動脈#3の完全閉塞と左冠動脈からの側副血行路を認めた. φ2. 5×25mmのバルーンにて拡張し血栓吸引を行ったところ, 完全閉塞部の遠位側に冠動脈瘤が存在した. 冠動脈瘤前後に残存狭窄があったため, φ3. 5×28mmのバルーンにて追加拡張した. 同部位の狭窄は25%に改善し, その後胸痛はなかった. 平成16年6月22日当科を退院し, その後は外来にて抗凝固療法(バイアスピリン100mg/day,...
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Published in | 山口医学 Vol. 54; no. 1; p. 42 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
山口大学医学会
28.02.2005
Yamaguchi University Medical Association |
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ISSN | 0513-1731 |
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Summary: | 症例は24歳, 男性. 平成16年5月12日夕方より胸痛が出現し持続した. 翌朝近医を受診し, 急性心筋梗塞の疑いにて当科に紹介された. 下壁梗塞の診断にて緊急冠動脈造影を行ったところ, 右冠動脈#3の完全閉塞と左冠動脈からの側副血行路を認めた. φ2. 5×25mmのバルーンにて拡張し血栓吸引を行ったところ, 完全閉塞部の遠位側に冠動脈瘤が存在した. 冠動脈瘤前後に残存狭窄があったため, φ3. 5×28mmのバルーンにて追加拡張した. 同部位の狭窄は25%に改善し, その後胸痛はなかった. 平成16年6月22日当科を退院し, その後は外来にて抗凝固療法(バイアスピリン100mg/day, ワーファリン2. 25mg/day, PT-INR:1. 8-1. 9)を続行しながら胸部症状の出現の有無等につき経過観察を行っている. 1年後の再冠動脈造影を予定しているが, これまでのところ胸部症状は出現しておらず良好に経過している. 冠動脈瘤に合併した若年者の急性心筋梗塞症例を経験した. 若干の文献的考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 0513-1731 |