犯罪不安の構造とデモグラフィック要因との関係

本発表では, 過去の社会調査における犯罪不安の測定の問題点として, (1)多重指標が取られていないこと, (2)構成概念妥当性の問題を指摘した. 東京都大田区で実施した住民対象の社会調査(n=2, 795)をもとに, 犯罪不安の構造と年齢, 性別, 経済状況, 被害経験との関連を検討した. 確認的因子分析の結果, 身体犯と財産犯の2因子構造が確認された. 平均構造の検討により, 女性は男性よりも特に身体犯の不安が強いことが示された. また, 富裕度が財産犯の被害不安に, 各罪種の被害経験が当該罪種の犯罪不安につながっていることが示された....

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Published in行動計量学 Vol. 31; no. 2; pp. 140 - 141
Main Authors 島田貴仁, 鈴木 護
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本行動計量学会 10.09.2004
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Summary:本発表では, 過去の社会調査における犯罪不安の測定の問題点として, (1)多重指標が取られていないこと, (2)構成概念妥当性の問題を指摘した. 東京都大田区で実施した住民対象の社会調査(n=2, 795)をもとに, 犯罪不安の構造と年齢, 性別, 経済状況, 被害経験との関連を検討した. 確認的因子分析の結果, 身体犯と財産犯の2因子構造が確認された. 平均構造の検討により, 女性は男性よりも特に身体犯の不安が強いことが示された. また, 富裕度が財産犯の被害不安に, 各罪種の被害経験が当該罪種の犯罪不安につながっていることが示された.
ISSN:0385-5481