9.企業外保健師活動における課題と問題点

われわれ保健師が企業あるいは健保組合との業務委託契約に基づき各事業所を訪問し, 健康相談等の企業外保健師活動を実施する場合, 事例によっては様々な問題点と直面してしまうことがある. 特に疾病の増悪等により就業上何らかの措置や配慮などが必要になった場合, 保健師がどこまで介入すべきか判断に苦慮することも少なくない. 業務委託契約はあっても, 個別の具体的な部分に関しては, 想定される事例ごとに手順書等があるわけではないため, 保健師の立場からだけでは十分なフォローができにくいのが現状である. 本来であれば, 事業所の健康管理担当者や上司, 保健師, 主治医, 産業医等が連携を取りながらフォローし...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 45; no. 5; pp. 207 - 208
Main Authors 梁井恵美子, 嶽野由紀, 宮崎さおり, 中村広江, 河津佐和子, 花田秀幸, 野波善郎, 大森久光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.09.2003
公益社団法人日本産業衛生学会
Japan Society for Occupational Health
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ISSN1341-0725

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Summary:われわれ保健師が企業あるいは健保組合との業務委託契約に基づき各事業所を訪問し, 健康相談等の企業外保健師活動を実施する場合, 事例によっては様々な問題点と直面してしまうことがある. 特に疾病の増悪等により就業上何らかの措置や配慮などが必要になった場合, 保健師がどこまで介入すべきか判断に苦慮することも少なくない. 業務委託契約はあっても, 個別の具体的な部分に関しては, 想定される事例ごとに手順書等があるわけではないため, 保健師の立場からだけでは十分なフォローができにくいのが現状である. 本来であれば, 事業所の健康管理担当者や上司, 保健師, 主治医, 産業医等が連携を取りながらフォローしていくべきと考えられるが, 現実にはそれがなかなか有効に機能していない. 今回, 私たちは健康相談を行なっていながら, 経過不良となってしまった事例を経験し, 企業外保健師活動における課題と問題点について考察したので報告する.
ISSN:1341-0725