7.小児がん患者への病状説明を考える-親が病気を隠しつづけている1例を中心に

白血病や悪性リンパ腫などの治癒率が向上し骨髄移植など治療内容が高度になるのに従って, 医療を取り巻く状況は本人に全てを話すという方向にある. 前院から当病棟に骨髄移植目的で入院した急性白血病の7歳の女児の母親は, かたくなまでに病気を隠しつづけていたため, 私たちは母親の希望どおりの対応をした. 隠し続ける理由は, 周囲に知られることへの恐怖や予後への悲観などが考えられたが, 患児の意思は置き去りにされてしまい, 子どもの権利を奪ってしまったのではないかと考える. 私たちは, 診断がついた時点で, 患児に病状をわかりやすく説明することが大切であるということを, 家族に理解してもらう働きかけが必...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 54; no. 4; pp. 344 - 345
Main Authors 坂口知恵美, 岩佐佳, 長塩恭子, 田辺美佐子, 八木久子, 金澤崇, 小川千登世
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.11.2004
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Summary:白血病や悪性リンパ腫などの治癒率が向上し骨髄移植など治療内容が高度になるのに従って, 医療を取り巻く状況は本人に全てを話すという方向にある. 前院から当病棟に骨髄移植目的で入院した急性白血病の7歳の女児の母親は, かたくなまでに病気を隠しつづけていたため, 私たちは母親の希望どおりの対応をした. 隠し続ける理由は, 周囲に知られることへの恐怖や予後への悲観などが考えられたが, 患児の意思は置き去りにされてしまい, 子どもの権利を奪ってしまったのではないかと考える. 私たちは, 診断がついた時点で, 患児に病状をわかりやすく説明することが大切であるということを, 家族に理解してもらう働きかけが必要である.
ISSN:1343-2826