9.障害児における介護負担の検討

成人に対する介護負担感を調査した報告は多く行われているが, 小児の介護に関する調査は少ない. 【目的】介護を必要とする小児の介護者の負担と健康について調査し検討を行う. 【方法】札幌市内の養護学校に通学している小児の介助者(主に保護者)に対して, アンケート調査を行った. 内容は, 基本情報の他にZarit介護負担スケール, CES-D, SF-36などである. 小児のADLは観察により評価した. 【結果】74名(回答率54. 8%)から回答が得られた. 対象小児の疾患は, 脳性麻痺とその他の脳原性疾患72%, 染色体異常11%, 神経, 筋疾患5%, その他12%でFIMの平均は50点であっ...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 40; no. 9; p. 628
Main Authors 佐古めぐみ, 成田寛志, 横串算敏, 鷲尾昌一, 森満, 古川章子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.09.2003
社団法人日本リハビリテーション医学会
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
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ISSN0034-351X

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Summary:成人に対する介護負担感を調査した報告は多く行われているが, 小児の介護に関する調査は少ない. 【目的】介護を必要とする小児の介護者の負担と健康について調査し検討を行う. 【方法】札幌市内の養護学校に通学している小児の介助者(主に保護者)に対して, アンケート調査を行った. 内容は, 基本情報の他にZarit介護負担スケール, CES-D, SF-36などである. 小児のADLは観察により評価した. 【結果】74名(回答率54. 8%)から回答が得られた. 対象小児の疾患は, 脳性麻痺とその他の脳原性疾患72%, 染色体異常11%, 神経, 筋疾患5%, その他12%でFIMの平均は50点であった. Zaritスケールは2~71点(平均26.5点), CES-Dでは20人がうつ状態であり, SF-36では同年代の平均値に比べ, すべての副項目で低下し, QOLも下がっていることがわかった. 介護サービスについては, 利用者は少なく, 希望に添うサービスがないことが, 1つの原因と推測された.
ISSN:0034-351X