突発性難聴の病態と治療
突発性難聴はごく普通の生活を送っていた人が, 突然「難聴」「耳鳴」に襲われ, ときには激しい「眩暈」を伴う疾患であり, 早期治療を施さぬと症状がそのまま固定してしまうことも少なくない. 要因としてはウイルスによる感染や内耳の循環障害などが考えられているが未だ不明な点が多く, 確実に奏効する治療法は確立されていない. 本疾患に対して麻酔科領域では星状神経節ブロック(SGB)が施行され, 一定の効果が得られてきた. 本シンポジウムでは突発性難聴の病態, 成因, 疫学上の特徴, 種々の治療法とSGBの効果, 予後などついて演者らの施設の成績を交えて紹介する. A突発性難聴とは? 1.病態の特徴…(1...
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Published in | The journal of the Japan Society of Pain Clinicians = 日本ペインクリニック学会誌 Vol. 8; no. 3; p. 66 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本ペインクリニック学会
25.06.2001
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ISSN | 1340-4903 |
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Summary: | 突発性難聴はごく普通の生活を送っていた人が, 突然「難聴」「耳鳴」に襲われ, ときには激しい「眩暈」を伴う疾患であり, 早期治療を施さぬと症状がそのまま固定してしまうことも少なくない. 要因としてはウイルスによる感染や内耳の循環障害などが考えられているが未だ不明な点が多く, 確実に奏効する治療法は確立されていない. 本疾患に対して麻酔科領域では星状神経節ブロック(SGB)が施行され, 一定の効果が得られてきた. 本シンポジウムでは突発性難聴の病態, 成因, 疫学上の特徴, 種々の治療法とSGBの効果, 予後などついて演者らの施設の成績を交えて紹介する. A突発性難聴とは? 1.病態の特徴…(1)突然に発症し, (2)原因不明の, (3)一側性の(高度)感音性難聴で, (4)多くの場合耳鳴を伴い, (5)約1/3に眩暈を伴うが, (6)第VIII脳神経以外の症状はなく, (7)聴力回復が期待できるのは発症後1ヶ月である. 2.成因…(1)内リンパ水腫説, (2)内耳循環障害説, (3)ウイルス感染説, (4)内耳窓膜破裂説, (5)アレルギー説など上げられるが, 不明な点が多く一元的なものではない. |
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ISSN: | 1340-4903 |