18. ある大学の新築校舎の室内空気質改善対策前後の室内空気質および自覚症状の変化

ある大学で, 新築校舎を利用した職員および学生が体調不良や眼のかゆみを訴えた. そのため, 我々は室内空気質測定を行い, 結果に基づいて空気清浄機使用や換気などの室内空気質改善対策が行われた. その後再度室内空気質測定を行い, 新館内の室内空気質が改善されたかどうかを評価した. 同時に, 対策後に利用者への自覚症状調査を行い, 対策前後で改善があったか調査した. 対策後ほとんどのVOCs濃度は低下していたことから, 対策の効果が示唆された. また, 自覚症状調査結果からも体調の悪化があった者の割合は対策前に比べて統計的に有意に減少した. しかし, 自覚症状調査の回答者の中にもまだ体調の変化をき...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 50; no. 5; p. 156
Main Authors 森美穂子, 原邦夫, 宮北隆志, 石竹達也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.09.2008
公益社団法人日本産業衛生学会
Japan Society for Occupational Health
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Summary:ある大学で, 新築校舎を利用した職員および学生が体調不良や眼のかゆみを訴えた. そのため, 我々は室内空気質測定を行い, 結果に基づいて空気清浄機使用や換気などの室内空気質改善対策が行われた. その後再度室内空気質測定を行い, 新館内の室内空気質が改善されたかどうかを評価した. 同時に, 対策後に利用者への自覚症状調査を行い, 対策前後で改善があったか調査した. 対策後ほとんどのVOCs濃度は低下していたことから, 対策の効果が示唆された. また, 自覚症状調査結果からも体調の悪化があった者の割合は対策前に比べて統計的に有意に減少した. しかし, 自覚症状調査の回答者の中にもまだ体調の変化をきたす者が残っていることから, 対策の継続やさらなる対策が必要である. また, 対策前後の室内空気質調査を行った調査時期が異なり, 季節による影響も考えられるため, 継続した調査が必要である.
ISSN:1341-0725