NO.4 2次元電気泳動を用いた食道扁平上皮癌のプロテオミクス

【目的】食道扁平上皮癌の診断マーカーや創薬につながる蛋白を検出すべく, 2次元電気泳動(2-DE)を用いたプロテオミクスの手法により, 蛋白発現の変動を網羅的に解析した. 【方法】1999年10月から2003年4月に初回治療として手術を行った食道扁平上皮癌16症例の癌部と非癌部の組織に対し2-DEを行い, 癌部と非癌部間で発現差を認める蛋白スポットを検出した. 【結果】食道扁平上皮癌組織で非癌部に対し発現が増強している蛋白を3種類, 減弱している蛋白を4種類確認した. 増強している蛋白スポット3種類はいずれも16例中12例と高頻度に増強していた. また減弱している蛋白スポットは5種類のうち2種...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in山口医学 Vol. 54; no. 6; pp. 188 - 189
Main Authors 原田俊夫, 蔵満保宏, 牧野景, 藤本正憲, 安倍俊弘, 飯塚徳男, 吉野茂文, 中村和行, 岡正朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 31.12.2005
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:【目的】食道扁平上皮癌の診断マーカーや創薬につながる蛋白を検出すべく, 2次元電気泳動(2-DE)を用いたプロテオミクスの手法により, 蛋白発現の変動を網羅的に解析した. 【方法】1999年10月から2003年4月に初回治療として手術を行った食道扁平上皮癌16症例の癌部と非癌部の組織に対し2-DEを行い, 癌部と非癌部間で発現差を認める蛋白スポットを検出した. 【結果】食道扁平上皮癌組織で非癌部に対し発現が増強している蛋白を3種類, 減弱している蛋白を4種類確認した. 増強している蛋白スポット3種類はいずれも16例中12例と高頻度に増強していた. また減弱している蛋白スポットは5種類のうち2種類は16例中13例, 他は12例, 9例, 8例と高頻度に減弱していた. 現在, 質量分析器により同定している. 【結語】食道扁平上皮癌組織を2-DEにより解析し, 癌部で発現が増強, または減弱する蛋白スポットを検出した. 質量分析器により同定中であり, 発現部位, 組織型, 患者背景との関係を検討し報告する.
ISSN:0513-1731