15.ハーセプチン,タキソール併用療法にて著効した男性乳癌の1例

症例は63歳, 男性. 1998年より左乳房腫瘤を自覚していたが放置. 2001年12月近医にて貧血を指摘され左乳房腫瘤の増大を認め当センター紹介となる. 精査にて胸壁浸潤を伴う左乳癌(papillotubular carcinoma)と診断し, 多発性肺転移, 左胸水貯留を認めたため(T4b N1b M1)2002年1月よりアドリアシン75mg, エンドキサン750mgを4サイクル施行し, 左乳房に66. 8Gyの放射線療法を追加した. しかし, 腫瘍の軽度の縮小を認める以外には効果はなく, 腫瘍マーカーの上昇を認めたため2002年8月26日よりハーセプチン, タキソール併用療法を開始した....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 54; no. 2; p. 179
Main Authors 蓬原一茂, 甲斐敏弘, 住永佳久, 小西文雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.05.2004
Kitakanto Medical Society
Online AccessGet full text
ISSN1343-2826

Cover

Loading…
More Information
Summary:症例は63歳, 男性. 1998年より左乳房腫瘤を自覚していたが放置. 2001年12月近医にて貧血を指摘され左乳房腫瘤の増大を認め当センター紹介となる. 精査にて胸壁浸潤を伴う左乳癌(papillotubular carcinoma)と診断し, 多発性肺転移, 左胸水貯留を認めたため(T4b N1b M1)2002年1月よりアドリアシン75mg, エンドキサン750mgを4サイクル施行し, 左乳房に66. 8Gyの放射線療法を追加した. しかし, 腫瘍の軽度の縮小を認める以外には効果はなく, 腫瘍マーカーの上昇を認めたため2002年8月26日よりハーセプチン, タキソール併用療法を開始した. 末梢神経障害出現のため2003年4月まで併用療法を施行し, 2003年5月よりハーセプチン単独療法を現在にいたるまで施行中である. 左胸水の消失, 肺転移巣の縮小を認め, 原発巣の縮小は現在も続いている. 進行した男性乳癌にハーセプチン, タキソール併用療法により良好な経過を得られたので報告する.
ISSN:1343-2826