9.頸損者の在宅状況
過去10年間の急性頸髄損傷117名から20名を選ぶ. 男性17名, 女性3名, 年齢24~72歳, 40, 50歳台が8割を占める. 障害因子:C5上2名, C5上と下1名, C5下5名, C6上5名, C6上と下1名, C6下3名, C8 2名, ADL上自立, C2 1名, 不全であるも痙性, 痙攣強く寝たきり. 生活因子:介助度が全面1名, 食事以外は大部分12名, 身のまわり動作ほぼ自立7名. 社会因子:交友は同病の人がほとんど, ワープロで記入し自営業1名, 店番1名, 痙性強くも管理業務1名. 経済因子:収入が労災関係12名, その他の年金8名. 本人のみの収入で家計16名. 環境...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 22; no. 5; pp. 299 - 300 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.09.1985
社団法人日本リハビリテーション医学会 The Japanese Association of Rehabilitation Medicine |
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 過去10年間の急性頸髄損傷117名から20名を選ぶ. 男性17名, 女性3名, 年齢24~72歳, 40, 50歳台が8割を占める. 障害因子:C5上2名, C5上と下1名, C5下5名, C6上5名, C6上と下1名, C6下3名, C8 2名, ADL上自立, C2 1名, 不全であるも痙性, 痙攣強く寝たきり. 生活因子:介助度が全面1名, 食事以外は大部分12名, 身のまわり動作ほぼ自立7名. 社会因子:交友は同病の人がほとんど, ワープロで記入し自営業1名, 店番1名, 痙性強くも管理業務1名. 経済因子:収入が労災関係12名, その他の年金8名. 本人のみの収入で家計16名. 環境因子:すべて土地つき持家, 建坪ともかなり広い. 屋外へのスロープ17名, すべて個室, ギャッジベッドは電動, 車椅子は手動か電動であるが10名が両方をもつ. リフトは天井走行1名, その他手動リフター5名, 浴室の改造14名, シャワーのみ2名, 拭くのみ3名, 入浴が最大の介助である. 装具は17名が食事用自助具を必要とした. 環境機器はエアコン, 扇風機ともコントローラー付2名, プッシュホン7名. 訓練状況:毎日8名, ときどき8名, しない4名, ベッド外に毎日出る16名, 閉じこもる4名. 精神因子:生きがいは子の成長, 心配は介助者の健康, 希望は毎日訓練ができ同病者と交えるデイケアー施設の設置であった. 質問 山形大 渡辺好博:デイケアセンターが日本ではない地域が多いが, これに代わるものとして, どんな方法が考えられるか. 答 冨永積生:病院でのリハ能力は人的面, 設備面とも越えておりますので, 重度障害者の外来リハは困難です. デイケアの施設は各医療サービスエリアを設定した場所に設けるべきと考えます. 重度障害者の実態を把握し, 行政ともかけ合っていきたいと考えています. 質問 千葉大 北原宏:無作意抽出の20名のきめ細かい報告でありましたが, 他の残った症例でも同様の結果と考えてよろしいでしょうか. 土地家屋にしてもかなり広々と豊かな生活環境にあると思われますが, いかがですか. 答 冨永積生:今回は出雲市近くの頸損者をアトランダムに選んだが, 残りの同程度の麻痺患者は20名程度あり, 今度も継続して調査したい. 今回の調査例はかなり恵まれており, 残りの者が必ずしもこの通りとは思えない. |
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ISSN: | 0034-351X |