NO.11 わが国のヒトおよびネコ由来Bartonella henselaeのMultilocus sequence typingによる分子系統解析
【目的】Bartonella henselaeは猫ひっかき病(Cat scratch disease:CSD)の原因菌である. 本邦ではネコ由来分離株に関して16S rRNA遺伝子I型が主であるとする報告のみで, その他の遺伝学的背景は明らかでない. そこで, わが国のヒトおよびネコ由来B.henselaeについてMultilocus sequence typing(MLST)法による分子系統解析を行った. 【材料と方法】対象はCSD患者各種臨床材料由来B.henselae DNA13例とネコ由来B.henselae分離株31株である. MLSTはArvandらの方法に準じて, 8種類の遺伝子...
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Published in | 山口医学 Vol. 57; no. 6; p. 226 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
山口大学医学会
31.12.2008
Yamaguchi University Medical Association |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0513-1731 |
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Summary: | 【目的】Bartonella henselaeは猫ひっかき病(Cat scratch disease:CSD)の原因菌である. 本邦ではネコ由来分離株に関して16S rRNA遺伝子I型が主であるとする報告のみで, その他の遺伝学的背景は明らかでない. そこで, わが国のヒトおよびネコ由来B.henselaeについてMultilocus sequence typing(MLST)法による分子系統解析を行った. 【材料と方法】対象はCSD患者各種臨床材料由来B.henselae DNA13例とネコ由来B.henselae分離株31株である. MLSTはArvandらの方法に準じて, 8種類の遺伝子の約320-500bpの塩基配列からSequence Type(ST)を決定した. 【結果】CSD患者由来13例はすべてST-1であった. ネコ由来31株はST-1(90.3%), ST-6(6.5%)およびST-15(3.2%)であった. ST-15は新規のSTであった. また, ST-1とST-15の16S rRNA遺伝子はI型であったが, ST-6はII型であった. 【考察】MLST解析からB.henselaeのST-1がわが国のCSDの主な流行型であることが示された. |
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ISSN: | 0513-1731 |