7.障害児の運動機能と栄養
運動機能や精神機能の発達の栄養源となる身体発育は, 医師だけでなく教育関係者にとっても関心は深い. 早期療育や重度, 重複障害児のリハビリ指導の第一は, 栄養補給を身体機能発達の深い関連性に注目し, PT, OT, ST, 栄養士, 看護婦, 保母, 教師などの関連職員が医師に協力し進めているが, 未だに十分とは言えない. 最近目立って来た肥満児の問題を施設, 在宅児にどのように配慮されているかを調査した. 【調査対象】4施設, 524名中, 職員側が肥満と指摘した38名につき行った. いずれも年齢相当の身長, 体重に比べ20%以上の体重増加をもつ例で, 全体の7%を占めていた. 一方親側の受...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 22; no. 5; pp. 260 - 261 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.09.1985
社団法人日本リハビリテーション医学会 The Japanese Association of Rehabilitation Medicine |
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 運動機能や精神機能の発達の栄養源となる身体発育は, 医師だけでなく教育関係者にとっても関心は深い. 早期療育や重度, 重複障害児のリハビリ指導の第一は, 栄養補給を身体機能発達の深い関連性に注目し, PT, OT, ST, 栄養士, 看護婦, 保母, 教師などの関連職員が医師に協力し進めているが, 未だに十分とは言えない. 最近目立って来た肥満児の問題を施設, 在宅児にどのように配慮されているかを調査した. 【調査対象】4施設, 524名中, 職員側が肥満と指摘した38名につき行った. いずれも年齢相当の身長, 体重に比べ20%以上の体重増加をもつ例で, 全体の7%を占めていた. 一方親側の受け取りは, 肥満と感じ努力中が10名, 其他の28名は, "健康的だ"または"良く食べる"程度で問題視をしていなかった. 38名中, 親や兄弟が肥満傾向にあるのは全体の2/3で, 食生活環境の問題が大きいことを推測させた, 【結論】Abrahamらの報告でも, 小児期の肥満の約62%は将来とも肥満を示したと述べている. 我々の例では, 肥満と共に獲得した運動機能の低下が10歳過ぎよりみられ, 38名中歩行可能であった20名より16名が車椅子併用となってきた. 成長に伴う変形に拘縮も加わり, 今後さらに機能低下の危険が予測される. 必要な栄養補給に関し, 最近はエネルギー消費の面から検討され, データも出されてきた. リハビリ阻害因子の立場から取り組みを進めたい. 質問 石川整肢学園 辻成人:肥満と機能改善および訓練効果は密接なものがある点は, 痛感していますが, 先生は, この改善のため, どのような具体的な取り組み方を実施しておられるのか, チームで対処するしかないと思いますが, 御教示ください. 答 山形恵子:在宅児の肥満対策は, 個人レベルでは継続しにくいようです. 私達は, 小児科医, 栄養士, 訓練士, 看護婦, 教師に親を含めたチームで対応して行く必要があると考え, 実施を始めました. その手始めは, 間食, 夜食摂取の内容改善で状況によって多くは中止するよう指導しています. |
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ISSN: | 0034-351X |