4.運動負荷前後における直立能力の変化-1.正常成人について(1)

運動負荷前後における直立能力の変化を検討するために, (1)コート10周(約600m)の疾走, (2)60mのうさぎ跳びを行わせて, その重心図を計測し, Plantar Analyzerを用いて足蹠面積変動の解析を行った. 分析方法は前回と同様である. 【結果】1)重心図の面積は男子で疾走後2倍をこえる起立の不安定性を示すが, 20秒後の閉眼時には負荷前の値に戻っていた. 2)女子では男子より変動は小さく(164%), 閉眼で132%を示した. 男子の方が女子より運動負荷の影響を受けやすいが, その回復は早いことを示している. 3)動揺線分/動揺面積は単位面積内に動揺を留める努力的傾向を示す...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 22; no. 5; pp. 273 - 274
Main Authors 月村泰治, 吹本武憲, 浦部忠久, 剱持和彦, 田中耕一, 田中京子, 池田珠江, 二橋純, 河合久美子, 臼井永男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.09.1985
社団法人日本リハビリテーション医学会
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
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ISSN0034-351X

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Summary:運動負荷前後における直立能力の変化を検討するために, (1)コート10周(約600m)の疾走, (2)60mのうさぎ跳びを行わせて, その重心図を計測し, Plantar Analyzerを用いて足蹠面積変動の解析を行った. 分析方法は前回と同様である. 【結果】1)重心図の面積は男子で疾走後2倍をこえる起立の不安定性を示すが, 20秒後の閉眼時には負荷前の値に戻っていた. 2)女子では男子より変動は小さく(164%), 閉眼で132%を示した. 男子の方が女子より運動負荷の影響を受けやすいが, その回復は早いことを示している. 3)動揺線分/動揺面積は単位面積内に動揺を留める努力的傾向を示すが, 男88mm, 女73.6mmで閉眼で小さくなり, 視覚の遮断が起立の努力的傾向を抑制している. また運動負荷では疾走後, うさぎ跳びの順に値は小さく, また女子の方が小さい. この点から男子の起立は女子より努力的であり, 運動負荷後はBody swayを大きくしてバランスをとり, 閉眼ではBody swayを小さくすることに集中している. またうさぎ跳びの方が直立能力に与える影響は大きい. 4)重心位置は運動時のそれと同様で, 閉眼時はその回復の度合によりまちまちである. 5)接地足蹠面積は疾走後は拡大, うさぎ跳びでは縮小する. これは疾走では足部筋疲労による足アーチの引き下げ, うさぎ跳びでは足部緊張によるSteady standingをはかるための努力的傾向と思われる. 6)その他については次回報告する予定である. 質問 長崎大 鈴木良平:負荷後の検査は負荷直後にやりますか. 呼吸, 脈拍等の影響はありませんか. 答 月村泰治:鈴木先生に対して;脈拍, 呼吸などの影響は当然あると思われます. 今回は計測回数が多いので, 負荷後の影響の薄れないためにと, 発表した方法のみを実施したため, 呼吸, 脈拍は測定していない. 窪田先生(座長)に対して;午後の演題(D-25)でCPについての検討結果について報告します. 先生のいわれる通り今後の研究もすすめていく予定であります.
ISSN:0034-351X