8.超低体温循環停止法を併用して切除し得た右心房内腫瘍塞栓を伴う腎細胞癌の1例

69歳女性. 肝S8領域に転移及び右心房内に腫瘍塞栓が進展する左腎腫瘍に対し, 体外循環下20℃の超低体温, 循環停止約4分間を2回行ない左腎及び腫瘍塞栓を右腎と肝への無阻血にて摘出した. この際脱血は右大退静脈, 上大静脈より行ない返血は右上肺静脈より行なった. 出血は5790ml手術時間は567分であった. 病理組織は淡明細胞癌であった. 術後2日目に一般病棟に戻り27日目に退院した. 大きな合併症はみられなかった. その後入院して, 肝S8領域にリピオドール及びスポンゼルにて塞栓術を施行し, 術後3ヵ月を経過し外来通院中である....

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 54; no. 4; p. 338
Main Authors 渡辺啓太, 神原常仁, 釜井隆男, 吉田謙一郎, 望月吉彦, 三好新一郎, 大村稔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.11.2004
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Summary:69歳女性. 肝S8領域に転移及び右心房内に腫瘍塞栓が進展する左腎腫瘍に対し, 体外循環下20℃の超低体温, 循環停止約4分間を2回行ない左腎及び腫瘍塞栓を右腎と肝への無阻血にて摘出した. この際脱血は右大退静脈, 上大静脈より行ない返血は右上肺静脈より行なった. 出血は5790ml手術時間は567分であった. 病理組織は淡明細胞癌であった. 術後2日目に一般病棟に戻り27日目に退院した. 大きな合併症はみられなかった. その後入院して, 肝S8領域にリピオドール及びスポンゼルにて塞栓術を施行し, 術後3ヵ月を経過し外来通院中である.
ISSN:1343-2826