4.乳癌に対する広背筋移行術後のリハビリテーション

【はじめに】当院ではクリティカルパスを使用し, 乳癌周術期のリハビリテーションを実施している. 胸筋温存乳房切除術および, 乳房温存術に対しては術後3日目から, 広背筋移行による一期的乳房再建術に対しては術後10日目からリハを開始するという2つのパスを使用していたが, パスを統一するために, 2004年7月よりリハを早期に開始するよう乳房再建術のプログラムを変更した. プログラムの変更に伴う効果について検証した. 【対象】2002年4月から2005年6月まで当院で広背筋による一期的乳房再建術を実施した42例(平均年齢46.3歳)を対象とした. 評価項目は肩関節可動域の変化, 入院期間, 訓練期...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 42; no. 11; p. 790
Main Authors 前田 香, 綾田裕子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.11.2005
社団法人日本リハビリテーション医学会
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
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ISSN0034-351X

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Summary:【はじめに】当院ではクリティカルパスを使用し, 乳癌周術期のリハビリテーションを実施している. 胸筋温存乳房切除術および, 乳房温存術に対しては術後3日目から, 広背筋移行による一期的乳房再建術に対しては術後10日目からリハを開始するという2つのパスを使用していたが, パスを統一するために, 2004年7月よりリハを早期に開始するよう乳房再建術のプログラムを変更した. プログラムの変更に伴う効果について検証した. 【対象】2002年4月から2005年6月まで当院で広背筋による一期的乳房再建術を実施した42例(平均年齢46.3歳)を対象とした. 評価項目は肩関節可動域の変化, 入院期間, 訓練期間, その他の合併症である. 【結果と考察】退院時の可動域は10日目開始群に比べ早期開始群の方が改善していた. また, 外来通院が必要であった症例についても通院期間が短縮していた. 再建術後に肩関節可動域制限が残存する症例が多いのは不動による廃用が主な原因であると考えられた. 早期リハ開始による重篤な合併症もみられず, 統一パスの作成は可能と考えられた.
ISSN:0034-351X