ペインイメージング
近年核医学検査, 画像診断学の進歩により, 脳局所機能の非侵襲的解析が可能になってきた. 慢性疼痛患者では疼痛機序に中枢性因子と末梢性因子の2つの要因が考えられる. 本発表では特に中枢性因子に注目して, 主にComplex regional pain syndromeを中心とした神経因性疼痛患者の脳機能イメージングの現状に関して報告する. 神経因性疼痛患者において施行した^^99m Tc-ECDを用いたSPECT (Single Photon Emission CT)検査では, 疼痛部位と反対側の前頭葉, 頭頂葉, 基底核などを中心にした局所の血流低下の所見を認めている. 本疾患では末梢からの...
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Published in | The journal of the Japan Society of Pain Clinicians = 日本ペインクリニック学会誌 Vol. 8; no. 3; p. 93 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本ペインクリニック学会
25.06.2001
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ISSN | 1340-4903 |
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Summary: | 近年核医学検査, 画像診断学の進歩により, 脳局所機能の非侵襲的解析が可能になってきた. 慢性疼痛患者では疼痛機序に中枢性因子と末梢性因子の2つの要因が考えられる. 本発表では特に中枢性因子に注目して, 主にComplex regional pain syndromeを中心とした神経因性疼痛患者の脳機能イメージングの現状に関して報告する. 神経因性疼痛患者において施行した^^99m Tc-ECDを用いたSPECT (Single Photon Emission CT)検査では, 疼痛部位と反対側の前頭葉, 頭頂葉, 基底核などを中心にした局所の血流低下の所見を認めている. 本疾患では末梢からの求心性入力の変化により疼痛制御機構が変容し, 疼痛に関連した機能を分担する脳局所での代謝異常やニューロン活動の低下により血流低下が生じるものと推測された. この血流低下現象はすべての慢性難治性疼痛患者に認められるわけではないが, 脳局所が疼痛維持にもなんらかの関与をしているものと推測された. |
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ISSN: | 1340-4903 |