NO.5 ビスフォスフォネート(BP)系薬剤に関連した顎骨壊死に関する臨床検討

ビスフォスフォネート(BP)系薬剤は強力な骨吸収抑制作用を有することから, 骨粗鬆症, 癌の骨転移, 多発性骨髄腫など, 骨吸収が異常に亢進する疾患の治療薬として広く用いられている. 2003年に初めてBP系薬剤投与患者において, 顎骨壊死が報告されて以来, 本邦でも同様の顎骨壊死が出現したという報告が散見されている. 今回われわれは2006年9月から2008年10月までに当科を受診したBP系薬剤投与歴のある患者12例中, 顎骨壊死をおこした4例について臨床的検討を行い, そのうち2例を供覧し概要を報告する. 今後, 本邦においてBP系薬剤を投与される患者は増加すると考えられる. したがって,...

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Published in山口医学 Vol. 57; no. 6; p. 224
Main Authors 中山敦之, 和田範子, 堀永大樹, 松下明日香, 真野隆充, 森悦秀, 上山吉哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 31.12.2008
Yamaguchi University Medical Association
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ISSN0513-1731

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Summary:ビスフォスフォネート(BP)系薬剤は強力な骨吸収抑制作用を有することから, 骨粗鬆症, 癌の骨転移, 多発性骨髄腫など, 骨吸収が異常に亢進する疾患の治療薬として広く用いられている. 2003年に初めてBP系薬剤投与患者において, 顎骨壊死が報告されて以来, 本邦でも同様の顎骨壊死が出現したという報告が散見されている. 今回われわれは2006年9月から2008年10月までに当科を受診したBP系薬剤投与歴のある患者12例中, 顎骨壊死をおこした4例について臨床的検討を行い, そのうち2例を供覧し概要を報告する. 今後, 本邦においてBP系薬剤を投与される患者は増加すると考えられる. したがって, 投与する医師側と歯科医, 口腔外科医側の双方が連携を強化し, 本剤による顎骨壊死の予防に努める必要があると思われる.
ISSN:0513-1731