CCDおよびstorage phosphorを用いたディジタル口内法X線撮影における濃度補償方法の比較

CCDおよびstorage phosphorを用いたディジタル口内法X線撮影における濃度補償方法を比較した. CCDを用いたシステムには, RVG4(Trophy Radiologic,Vincennes,France)とComputed Dental Radiography(Schick Technologies Inc., Long Island City, NY, USA)の2機種を使用した. この両システムには, CCDのダイナミックレンジが相対的に狭いことから, それぞれAEC(automatic exposure compensation)機能, equalization機能が組み...

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Published in歯科放射線 Vol. 36; no. suppl; p. 92
Main Authors 早川吉彦, Allan G. Farman, 黒柳錦也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯科放射線学会 01.09.1996
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ISSN0389-9705

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Summary:CCDおよびstorage phosphorを用いたディジタル口内法X線撮影における濃度補償方法を比較した. CCDを用いたシステムには, RVG4(Trophy Radiologic,Vincennes,France)とComputed Dental Radiography(Schick Technologies Inc., Long Island City, NY, USA)の2機種を使用した. この両システムには, CCDのダイナミックレンジが相対的に狭いことから, それぞれAEC(automatic exposure compensation)機能, equalization機能が組み込まれている. そこで, 低線量照射と高線量照射で得られた画像に対してそれらの機能を使用し, コントラストおよびSNR(signal-to-noise ratio)の変化を検討した. RVG-4では, 低線量画像と高線量画像のどちらに対してもコントラストが強調された. しかし, SNRは低下した. Computed Dental Radiographyでは, 低線量画像に対してはコントラストが強調され, SNRは変化しなかった. 高線量画像に対してはコントラストもSNRもほとんど変化しなかった. すなわち, SNRに対する影響に違いがあるものの, AEC機能, equalization機能ともにシステムのラチチュードを大きくするのに有効と思われた. また, AEC機能では高線量画像に対する濃度補償効果がみられたため, 患者に過剰な線量を浴びせてしまう危険性もあると考えられた. 一方, strage phosphorを用いたDigora(Soredex/Orion Corp., Helsinki, Finland)では, イメージングプレートのダイナミックレンジが広い. また, 濃度補償は画像データを読み込む際に行われる. このため, 使用する長大の線量を設定し, 校正を行う必要がある. そこで, 校正時に設定する最大線量を12.9μC/kg(50mR)から103μC/kg(400mR)まで変化させた. その結果, イメージングプレートヘの線量が設定した最大線量の10%から100%までならば, 同様の画像が得られた. しかし, 10%以下になると, 濃度とコントラストが著しく低下した. また, 最大線量の設定値を小さくすると, 濃度が低くなる傾向がみられた. このように, 最大線量による校正は, 広いダイナミックレンジを口内法撮影に適応させるために行うもので, これによって線量が多少上下しても同様の画像が得られる. また, 使用する最大線量は校正時に設定されるので, 患者に過剰な線量を浴びせてしまう危険性はないと考えられた.
ISSN:0389-9705