6. 脳卒中後長期臥床患者の呼吸理学療法の必要性の検討

【目的】無気肺は, 脳卒中後遷延性意識障害の最も多い合併症である. 無気肺へのリハビリテーションアプローチとして, 呼吸理学療法があるが, 現実的には充分訓練が行われていることはむしろ少ないと思われる. 今回は肺CTにてその所見, 必要性を検討した. 【対象と方法】当院入院中の脳卒中等による遷延性意識障害患者24例(意思疎通不可, 自発呼吸患者)に対し, 胸部CTを施行し, 重度無気肺患者の割合を調べ, さらに重度患者の各要素(年齢, 性別, 喫煙歴, 臥床期間, 気管切開の有無, 胃瘻の有無)についての相関関係を検討した. 【結果と考察】無気肺は, 一般に, 喀痰などが気管内に貯留し気管支を...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 42; no. 6; p. 425
Main Authors 光増 智, 岡 亨冶, 萩原良治, 武田利兵衛, 横串算敏, 中村博彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.06.2005
社団法人日本リハビリテーション医学会
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
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ISSN0034-351X

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Summary:【目的】無気肺は, 脳卒中後遷延性意識障害の最も多い合併症である. 無気肺へのリハビリテーションアプローチとして, 呼吸理学療法があるが, 現実的には充分訓練が行われていることはむしろ少ないと思われる. 今回は肺CTにてその所見, 必要性を検討した. 【対象と方法】当院入院中の脳卒中等による遷延性意識障害患者24例(意思疎通不可, 自発呼吸患者)に対し, 胸部CTを施行し, 重度無気肺患者の割合を調べ, さらに重度患者の各要素(年齢, 性別, 喫煙歴, 臥床期間, 気管切開の有無, 胃瘻の有無)についての相関関係を検討した. 【結果と考察】無気肺は, 一般に, 喀痰などが気管内に貯留し気管支を閉塞し, その部分の含気が消失し発生する. このうち, 背側部無気肺と局所肺葉レベル無気肺合併例を重度としたところ, 12例(50%)が該当した. この重度例に対し, 年齢, 性別, 喫煙歴, 臥床期間, 気管切開の有無, 胃瘻の有無の項目について, 統計的有意差を示すものはなかった. 長期臥床患者の肺CTを検討した研究は国内外で調べうる範囲では発見できなかった. 今回重症無気肺が長期臥床患者の50%にも認められ, 呼吸リハ的アプローチによる発生率減少の可能性が示唆された.
ISSN:0034-351X