4.交通外傷により骨盤骨折, 左下腿骨折, 頭部外傷をきたし, リハビリテーションに難渋した症例

交通外傷による頭部外傷, 多発骨折(骨盤, 左大腿骨内顆, 頸骨, 腓骨), 左不全片麻痺, 神経因性膀胱, 高次脳機能障害を持つ症例を経験した. 症例は70歳, 女性. 歩行中自動車に衝突, 車両の約6m後方に飛ばされ, 受傷. 頭部CTにて左頭頂後頭葉に脳挫傷, 外傷性くも膜下出血を, 加えて第8病日の脳MRI拡散強調画像, T2強調像にて右中脳背側, 腹側, 脳梁膨大部に高輝度変化を認めた. 骨盤は仙骨左側と右恥坐骨, 左坐骨に骨折を認める不安定型であり, ホフマン創外固定が, 左下腿に対し副子固定が行われたが, 第24病日に感染のため創外固定除去された. 頭部外傷を合併しており, 意識...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 42; no. 2; p. 149
Main Authors 村上理子, 小笠原浩気, 寺本洋一, 新舎規由, 石神重信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.02.2005
社団法人日本リハビリテーション医学会
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
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ISSN0034-351X

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Summary:交通外傷による頭部外傷, 多発骨折(骨盤, 左大腿骨内顆, 頸骨, 腓骨), 左不全片麻痺, 神経因性膀胱, 高次脳機能障害を持つ症例を経験した. 症例は70歳, 女性. 歩行中自動車に衝突, 車両の約6m後方に飛ばされ, 受傷. 頭部CTにて左頭頂後頭葉に脳挫傷, 外傷性くも膜下出血を, 加えて第8病日の脳MRI拡散強調画像, T2強調像にて右中脳背側, 腹側, 脳梁膨大部に高輝度変化を認めた. 骨盤は仙骨左側と右恥坐骨, 左坐骨に骨折を認める不安定型であり, ホフマン創外固定が, 左下腿に対し副子固定が行われたが, 第24病日に感染のため創外固定除去された. 頭部外傷を合併しており, 意識賦活のため早期座位を要請したが, 不安定骨盤のために他科担当医サイドとの折衝に手こずり, 座位開始が遅延した. 骨盤装具作成により座位, 漸増的歩行訓練, ADL訓練が可能となった. T字杖歩行可能となり, 高次脳機能障害も軽減してきており, 早期退院が可能となった.
ISSN:0034-351X