クオリバックス(TM)Q7システムを用いた食品からの腸管出血性大腸菌の迅速検出法の検討

[要約] クオリバックス(TM)Q7システムを用い, 食中毒事例に関連する腸管出血性大腸菌の主要なO血清群の検出について検討した. 菌株特異性について純培養菌で調べたところ, 供試した腸管出血性大腸菌はすべてstx陽性, O血清群も正しく判定された. 血清群O157を接種した検出感度試験では, 牛ひき肉培養液で≧1.8×102CFU/ml, レタス培養液で≧1.8×103CFU/mlがstx陽性と判定され, O血清群の検出で≧1.8×104CFU/mlが陽性と判定された. また4機関による検出試験では, 血清群O157を低菌量接種したレタス1検体で血清群の検出が陰性と判定されたが, これ以外で...

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Published in日本食品微生物学会雑誌 Vol. 31; no. 4; pp. 194 - 203
Main Authors 森哲也, 畑ますみ, 渡辺晃正, 岩出義人, 和田真太郎, 難波豊彦, 遠山一郎, 大熊周平, 上橋健三, 小沼博隆, 伊藤武
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本食品微生物学会 31.12.2014
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ISSN1340-8267

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Summary:[要約] クオリバックス(TM)Q7システムを用い, 食中毒事例に関連する腸管出血性大腸菌の主要なO血清群の検出について検討した. 菌株特異性について純培養菌で調べたところ, 供試した腸管出血性大腸菌はすべてstx陽性, O血清群も正しく判定された. 血清群O157を接種した検出感度試験では, 牛ひき肉培養液で≧1.8×102CFU/ml, レタス培養液で≧1.8×103CFU/mlがstx陽性と判定され, O血清群の検出で≧1.8×104CFU/mlが陽性と判定された. また4機関による検出試験では, 血清群O157を低菌量接種したレタス1検体で血清群の検出が陰性と判定されたが, これ以外ではstx, O血清群とも陽性と判定された. BAXシステムでstxとO血清群が陽性と判定されても, 分離培養で検出できない事例も認められた. BAXシステムでは, stxのスクリーニングに続き, 主要なO血清群のスクリーニングも可能であり, 腸管出血性大腸菌の迅速検出に有用なツールになりうると考えられた.
ISSN:1340-8267