PBシェアとストア・ロイヤリティの関係 - COVID-19前後の日本市場における変化
「1. はじめに」 プライベート・ブランド(PB)は小売企業が独自に開発・(および)販売する商品であり, その展開は小売企業の経営戦略上, 重要な位置づけにある. PBの品揃えを拡充することによって, 小売企業は複数の恩恵を受けることができる. Ailawadi, Pauwels, & Steenkamp (2008)によれば, 小売企業がPBを扱う意義には, (1)利益率の高さ, (2)ナショナルブランド(NB)メーカーへの交渉力向上, (3)顧客の店舗への愛着度合いを示すストア・ロイヤリティの向上という, 大別して三つの観点があると言われている. それゆえに, 現代ではスーパーマー...
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Published in | 行動計量学 Vol. 51; no. 2; pp. 81 - 94 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本行動計量学会
30.09.2024
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Summary: | 「1. はじめに」 プライベート・ブランド(PB)は小売企業が独自に開発・(および)販売する商品であり, その展開は小売企業の経営戦略上, 重要な位置づけにある. PBの品揃えを拡充することによって, 小売企業は複数の恩恵を受けることができる. Ailawadi, Pauwels, & Steenkamp (2008)によれば, 小売企業がPBを扱う意義には, (1)利益率の高さ, (2)ナショナルブランド(NB)メーカーへの交渉力向上, (3)顧客の店舗への愛着度合いを示すストア・ロイヤリティの向上という, 大別して三つの観点があると言われている. それゆえに, 現代ではスーパーマーケットやコンビニエンスストア, ドラッグストアなどの大規模なチェーン店や, 多様な業種の小売企業など, 多くの企業がPBを取り扱っている. しかしながら, これらの意義のうち, PBと顧客のストア・ロイヤリティの関係については必ずしも単純なものではない. |
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ISSN: | 0385-5481 |