樹葉サイレージの調製過程における栄養成分の変化と飼育下有蹄類および霊長類が示す嗜好性

「要約」日本国内の動物園における樹葉サイレージの活用を目的に, 比較的よく利用される常緑樹2種(シラカシ, スダジイ)および落葉樹1種(ソメイヨシノ)の樹葉をサイレージ調製し, 調製過程における栄養成分および発酵性状の変化を比較するとともに, 飼育下の有蹄類2種および霊長類4種に給与した際の飼料としての受け入れ度合い(受容度)を評価した. 栄養成分のうち, 中性および酸性デタージェント繊維(P<0.001), 灰分(P=0.011)およびCa(P=0.030)含量では調製過程に伴う経時的な増加が, 非繊維性炭水化物(P<0.001)および細胞内容物(P<0.001)含量では経...

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Published inAnimal Behaviour and Management Vol. 58; no. 2; pp. 48 - 65
Main Authors 星野智, 島田英里, 高橋勇太, 八代田真人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 動物の行動と管理学会 25.06.2022
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ISSN1880-2133

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Summary:「要約」日本国内の動物園における樹葉サイレージの活用を目的に, 比較的よく利用される常緑樹2種(シラカシ, スダジイ)および落葉樹1種(ソメイヨシノ)の樹葉をサイレージ調製し, 調製過程における栄養成分および発酵性状の変化を比較するとともに, 飼育下の有蹄類2種および霊長類4種に給与した際の飼料としての受け入れ度合い(受容度)を評価した. 栄養成分のうち, 中性および酸性デタージェント繊維(P<0.001), 灰分(P=0.011)およびCa(P=0.030)含量では調製過程に伴う経時的な増加が, 非繊維性炭水化物(P<0.001)および細胞内容物(P<0.001)含量では経時的な減少が確認された. 樹葉3種ともに調製過程での顕著なpHの低下や乳酸生成は確認されなかったが, 変敗も確認されなかった. 各動物種が示す受容度は, サイレージ調製前後で顕著に変化はしないものの, 動物種によって受容度が異なったため, 動物種ごとに給与する樹種を選定する必要があるだろう.
ISSN:1880-2133