オールバリアンス方式でのパスの分析 ~人工股関節全置換術パスを用いて

「はじめに」 クリニカルパスは「患者状態と診療行為の目標, 及び評価・記録を含む標準診療計画であり, 標準からの逸脱を分析することで医療の質を改善する手法」と定義されており, 一度作成すればすぐに有用なツールとして活用できるのではなく, 継続的に見直ししていくことが医療の質向上に欠かせないといわれている. 実際のパス見直しの方法としては, アウトカム評価, バリアンス分析, ベンチマーキング, 原価計算などさまざまな方法が存在する. その中でも, バリアンス分析はパス見直しの王道とされており, パスの運用を行っている多くの施設で行われている. しかし, 日本クリニカルパス学会の2021年度学会...

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Published in日本クリニカルパス学会誌 Vol. 25; no. 4; pp. 345 - 349
Main Authors 川端克明, 吹矢三恵子, 三浦豊章, 勝尾信一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本クリニカルパス学会 30.10.2023
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Summary:「はじめに」 クリニカルパスは「患者状態と診療行為の目標, 及び評価・記録を含む標準診療計画であり, 標準からの逸脱を分析することで医療の質を改善する手法」と定義されており, 一度作成すればすぐに有用なツールとして活用できるのではなく, 継続的に見直ししていくことが医療の質向上に欠かせないといわれている. 実際のパス見直しの方法としては, アウトカム評価, バリアンス分析, ベンチマーキング, 原価計算などさまざまな方法が存在する. その中でも, バリアンス分析はパス見直しの王道とされており, パスの運用を行っている多くの施設で行われている. しかし, 日本クリニカルパス学会の2021年度学会アンケートによると, パスを運用する際に困った点の中で「バリアンスの集計・分析困難」や「バリアンス収集」は上位となっており, バリアンス分析の難しさがうかがえる. 一般的にバリアンス分析の方法には, センチネル方式, ゲートウェイ方式, オールバリアンス方式があるが, バリアンスは「アウトカムが達成されない状態」と定義されるので, 分析対象のアウトカムを決めることで, 必然的に収集方法が決まってくる.
ISSN:2187-6592