しんどい学校への勤務が抑うつ傾向へ与える影響 - 公的統計を用いた指標の作成から
「1. はじめに」 本稿の目的は, 教員のしんどい学校への勤務が抑うつ傾向に与える影響を明らかにすることである. 精神疾患による教員の休職が増加するに伴い, 教員の精神疾患等に焦点を当てた研究が2000年以降増加している. それらの先行研究では, ストレスやバーンアウト, 抑うつ傾向など精神疾患の代理指標を用いた関連要因の探索(大阪教育文化センター1996; 露口・高木2014)および抑制策の探索(高木・田中・渕上・北神, 2006, 露口・増田, 2016)が行われており, 個人属性(性別, 教職経験年数, 職種, 家庭環境など)と学校属性(学校種, 勤務校の規模, 教員同士の関係性などに)...
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Published in | 行動計量学 Vol. 51; no. 2; pp. 127 - 135 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本行動計量学会
30.09.2024
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Summary: | 「1. はじめに」 本稿の目的は, 教員のしんどい学校への勤務が抑うつ傾向に与える影響を明らかにすることである. 精神疾患による教員の休職が増加するに伴い, 教員の精神疾患等に焦点を当てた研究が2000年以降増加している. それらの先行研究では, ストレスやバーンアウト, 抑うつ傾向など精神疾患の代理指標を用いた関連要因の探索(大阪教育文化センター1996; 露口・高木2014)および抑制策の探索(高木・田中・渕上・北神, 2006, 露口・増田, 2016)が行われており, 個人属性(性別, 教職経験年数, 職種, 家庭環境など)と学校属性(学校種, 勤務校の規模, 教員同士の関係性などに)が, 教員らの精神疾患等に影響を与えており, その抑制に関して, 同僚間または管理職からのサポート等の有効性が確認されている(諏訪2004). また, 教員の精神疾患を検討する際に, 学校と教員が置かれている社会環境は避けて通れない話題となる. |
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ISSN: | 0385-5481 |